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落語女子が急増中! ブームはほんとに来ている

弟子入りも急増、おじさんと若手女子の接点にも

2017年2月13日(月)

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 自分の実家は、少なくとも4代は続いている東京オリジン。祖父は大工で、隣の家の人と、壁の隙間から会話するような、中央区の長屋に住んでいた。まさに落語の世界だが、実際に一族みんな落語が大好きで、今考えると「落語かよ!」とツッコミたくなるような祖父の思い出もいろいろある。

 例えば、祖父は大工を引退したあとも、今で言うDIYリフォームが趣味。どっからか廃材をもらってきては、隙間だらけの長屋を自分の手で改造した。子供心に一番驚いたのは、ある日おじいちゃんの家に行くと、茶の間の引き戸が、真っ白いドアに新調されていたこと。しかもよく見ると「検眼室」という文字と、目玉の絵が描いてあるんですけど。祖父がどっかの眼科の解体現場からもらってきたのを、取り付けたらしい。

実は隠れ落語ファンだったおじさん上司と女性部下がツーショットで落語会に、なんて話もよくあるそうで。(©PaylessImages-123RF)

先祖は落語にも出てくる“立派な”質屋

 子どもの頃から繰り返し聞かされてきた、落語にまつわる一族の自慢話もある。
「今は大工だけど、うちはもともと江島屋っていう、落語にも出てくるほど立派な質屋を営んでいたんだから」

 そうか、自分も世が世なら、大店の質屋のお嬢さんだったんだ…そう信じて大人になったある日、ふとどんな落語に出てくるのか、調べてみて青くなった。その落語「江島屋騒動」はバリバリの怪談話で、笑うところがほとんどない。しかも劇中、江島屋はとんでもない悪徳質屋として登場する。うろ覚えだが、ストーリーはざっとこうだ。

 貧しい家の娘が、名家のボンボンに見初められて、結婚することになる。娘は母と江戸に出て支度金で婚礼支度を整えるが、婚礼衣装を江島屋で買ったのが運の尽きだった。客の足元を見て、糊で貼り付けただけの粗悪な着物を売りつけたため、婚礼中に新婦の婚礼衣装の裾が取れてしまう。恥をかかされたと新郎のボンボンは怒り、たちまち破談に。娘は悪徳質屋の江島屋を恨みながら自害する。

「末の代まで呪ってやる…」

 って、私じゃん? ていうか、着物がほつれたくらいで破談にするボンボンもボンボンだ。半分くらいはそっちも恨んでもいいと思うのだが、とにかく。残された母も江島屋を恨み続け、わら人形みたいなことをして、とうとう江島屋はつぶれてしまう…とまあ、そんな落語だったと思う。

 まあ、怪談だけにフィクションだし、モデルがあったとしても、たまたま同じ名前の別の質屋だった可能性だってある。なのに悪徳業者として登場するところも省略して、ちゃっかり「落語にも出てくる立派な質屋」と末代に伝えてしまう。自分の祖先の大ざっぱさと、ネットのなかった時代の口伝のいい加減さを、今改めてかみしめている。

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「落語女子が急増中! ブームはほんとに来ている」の著者

福光 恵

福光 恵(ふくみつ・めぐみ)

ライター

美術業界を経て、1990年代からフリーライター。日本経済新聞土曜朝刊プラスワン「コトバ百貨店」、日経BPネット「トレンド・リテラシー講座」などの連載がある。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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