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「三村さんの靴」はなぜランナーを魅了するのか

箱根駅伝で起きた旋風が、きっと東京五輪を吹き抜ける

2018年2月5日(月)

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 あまりニュースなどでは報じられませんでしたが、先日、箱根駅伝4連覇を達成した青山学院大学の優勝パレードが行われました。練習拠点がある青山学院・淵野辺キャンパスの最寄り駅、JR横浜線の淵野辺駅周辺で行われたのですが、このパレードの観衆がなんと3万人! すごい盛り上がりなのです。

「駅女」たちがトラックにも

 これまで駅伝ファンといえば、渋めな男性ファンが中心でありましたが、こちらのEKIDEN Newsが生配信していたパレードの模様をご覧ください。

原監督、笑顔で声援に応えております。動画リンクはこちらから

 どうです? 壮観でしょう。もはや箱根ランナーたちは女子中高生を中心としたアイドルのような人気っぷりなのです。プロ野球に「カープ女子」という言葉があるように、いま、駅伝界では「駅女」と呼ばれる女性ファンたちが急増中なのです。

 厳密には駅伝ファンの女性はそれまでもたくさんいましたが、どちらかというと、男性ファンのそれとあまり変わらない、「渋好み」なたしなみでありました。

 明らかに変わってきたのは2015年、青学が初優勝した春のこと。色紙やカメラをもった女性ファンたちが、これまで関係者くらいしかいなかった、トラックレースが行われる陸上競技場に集まるようになったのです。

 青学では、箱根駅伝シード権をようやく獲得した2010年あたりからマネージャーや選手たちがツイッターを使って、「@aogaku_rikujyou」=青学大陸上競技部【長距離ブロック】に試合結果だけでなく、日常生活を含めた情報発信を積極的に行い始めていました。

 当時はブログのほうがメジャーでしたから画期的でありました。こうして2010年から積極的に選手たちがツイッターを使っていますから、SNSリテラシーが部として共有されていっているのでしょう。テレビや雑誌ではとりあげられない青山学院のカラーがいつの間にか駅伝ファンに浸透していき、「まだまだ弱かった青学」をツイッターを通じて応援するという文化が生まれていきました。

 それが一気に爆発したのが、2015年の初優勝であったわけなんです。箱根駅伝の高視聴率の裏には、こうした客層の変化もあるのですね。

箱根駅伝2018「本当の1位は…」

 さて、今年の箱根駅伝ほど選手の足元に注目が集まった大会はありませんでした。

 これまで、アシックスやミズノといった国内メーカーを履く選手が大半だったなか、「ランニングシューズは薄いほうがよい」という常識を覆すような厚底シューズを開発したナイキがこれまでの3位から1位へ。昨年は4名しか履いてなかったニューバランスが伝説の靴職人・三村仁司さんが手がけるシューズを投入して大躍進。それまでの箱根駅伝シューズ戦力図が一気に塗り替わりました。

 …という話が前回までのお話。

 メーカー別で観ていくと「ナイキすごいね」という話なんですが、よーく観ていくと、気づくことがあります。

 「本当の1位は三村ブランド」じゃないかということです。

 三村仁司さんの経歴を駆け足で説明していきましょう。

 もともと飾磨工業高校で長距離ランナーだった三村さん(インターハイにも出場するくらいのエリートランナーでした)は、1966年にアシックスの前身、オニツカに入社。靴の成型や製造、そして素材開発などにかかわり、1973年くらいからトップアスリート向けのシューズ開発をたった一人で始めることになります。

 そうして1976年のモントリオールオリンピックからマラソン日本代表選手のシューズを手がけはじめます。

 このオリンピックでは三村さんが作ったシューズを履いたフィンランドのラッセ・ビレン選手が10000mで金メダルを獲得。なんと、三村さん初のオリンピックメダリストシューズは日本人選手じゃなかったんです。

 そのあと、茂・猛の宗兄弟、瀬古利彦、有森裕子、高橋尚子、野口みずきといった数々のトップランナーだけでなく、イチローや香川真司といった各界のトップアスリートのシューズを手がけました。

 そして2009年にアシックスを定年退職後、自らのシューズ工房「M.Lab」(ミムラボ)を立ち上げます。2010年にはアディダスジャパンとアドバイザリー契約を結び、「アディゼロ匠」シリーズを開発。数多くの箱根ランナーや日本のトップランナーがアディダスブランドに大移動しました。こうして「アディゼロ匠」ブランドが市民ランナーにも浸透してきた矢先の2017年に契約を解消…。

 そして、2018年、1月1日。ニューバランスとグローバルパートナーシップ契約を結ぶことが発表されました。

コメント2件コメント/レビュー

とびきりの職人技が世界に展開されると考えるとわくわくします。惜しむらくはそれが日本のメーカーではなく海外メーカーであること、ですが...
ところで記事中「足の実寸から13~15mmは余裕が必要」とありますが「1.3~1.5mm」ではないんでしょうか? 13mmも大きいとさすがに余裕あり過ぎではないかと思うのですが...



#####
こんにちは。西本です。
ご質問、ありがとうございます。

さて、サイズの件ですが、13~15mmで正解です。

ぼくは何年もジョギングシューズは26.5cmを履いていたのですが
(ちなみにサッカーのスパイクは26cmでしたので、
 つま先にはそれなりに余裕がありました)
三村さんに脚を観ていただいたら
「あんたの脚は27cmがいいはずだよ」と。
それまで26.5cmのシューズを履いて、マラソンを走り続けた身としては
サイズを変えることに抵抗があったのですが、
言われたとおりに27cmに変えると、
腰がのり、後ろに蹴り出せる走り方に変わり、
それまで30km以上走ると爪にトラブルが起きがちだったのですが
そういうこともなくなりました。
つまり、自分でもあってると思っていたサイズが小さかったということなんです。
ですので、脚のサイズを正確に計った上で、
(量販店よりもスポーツメーカーの直営店などのほうが正確に計ってくれます)
13~15mm上のサイズの靴を試履してみることをオススメいたします。

これからもどうぞよろしくおねがいします。

EKIDEN News 西本武司(2018/02/05 17:37)

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「「三村さんの靴」はなぜランナーを魅了するのか」の著者

西本 武司

西本 武司(にしもと・たけし)

EKIDEN News主宰

吉本興業、ほぼ日刊イトイ新聞を経て、コミュニティーFM「渋谷のラジオ」制作部長。“公園橋博士”の名前で駅伝をどこよりも細かく追っかけるWEBメディア「EKIDEN NEWS」を主宰する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

とびきりの職人技が世界に展開されると考えるとわくわくします。惜しむらくはそれが日本のメーカーではなく海外メーカーであること、ですが...
ところで記事中「足の実寸から13~15mmは余裕が必要」とありますが「1.3~1.5mm」ではないんでしょうか? 13mmも大きいとさすがに余裕あり過ぎではないかと思うのですが...



#####
こんにちは。西本です。
ご質問、ありがとうございます。

さて、サイズの件ですが、13~15mmで正解です。

ぼくは何年もジョギングシューズは26.5cmを履いていたのですが
(ちなみにサッカーのスパイクは26cmでしたので、
 つま先にはそれなりに余裕がありました)
三村さんに脚を観ていただいたら
「あんたの脚は27cmがいいはずだよ」と。
それまで26.5cmのシューズを履いて、マラソンを走り続けた身としては
サイズを変えることに抵抗があったのですが、
言われたとおりに27cmに変えると、
腰がのり、後ろに蹴り出せる走り方に変わり、
それまで30km以上走ると爪にトラブルが起きがちだったのですが
そういうこともなくなりました。
つまり、自分でもあってると思っていたサイズが小さかったということなんです。
ですので、脚のサイズを正確に計った上で、
(量販店よりもスポーツメーカーの直営店などのほうが正確に計ってくれます)
13~15mm上のサイズの靴を試履してみることをオススメいたします。

これからもどうぞよろしくおねがいします。

EKIDEN News 西本武司(2018/02/05 17:37)

トップランナーのみならず、市民ランナーにとってはタイムよりも故障しないというのは大事なことです。年齢とともに膝や足底にトラブルを抱える愛好者は多いはず、そういった市民にも気軽に安心して走ることができるシューズを望みます。メーカーとしては厚底ですそ野の需要にも応えていただきたいと思います。
駅女が増えているのはうれしい限りです。我が妻も直木賞作家の三浦しをんさんが箱根駅伝を扱った「風が強く吹いている」を読んでハマり、箱根OBが実業団やマラソン、あるいは実業界で活躍する姿を楽しみにしています。箱根についてはその影響でマラソンが弱体化したなどと言われますが、それでも「走る」という地味なスポーツのファン層を広げるために役立っているのではないでしょうか。(2018/02/05 11:16)

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