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誤解だらけのダイバーシティー

『Hit Refresh』から読み解く、マイクロソフトのしたたかな復活戦略(第5回)

2018年2月5日(月)

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 マイクロソフトの経営で目を引くものの一つが、ダイバーシティーとインクルージョンを推し進めていることだ。本連載でこれまで述べてきたように、これからの企業経営者には「両利きの経営」の能力が求められるが、ダイバーシティーはそれを実現するための重要な要素でもある。今回は、サティア・ナデラの『Hit Refresh』を通じて、ダイバーシティーと企業変革の能力(ダイナミック・ケイパビリティー)について考えてみたい。日本企業は、米国企業ほど、大胆にダイバーシティーを推進することは難しいかもしれないが、工夫次第でやり方は見つかるはずだ。

 本連載の第3回でマイクロソフトの「両利きの経営」について論じた。事業を単にクラウドにシフトして従来のパッケージ製品をやめてしまうのではなく、右手で既存のパッケージを売りながら、左手でクラウドも売る。クラウドとパッケージは「矛盾」する部分もあるが、それをうまくマネジメントしながら、全体の売り上げを落とすことなく徐々に新事業に展開していくのが、両利きの経営だ。

異なる経験、経歴、文化を持った人を生かす

 『Hit Refresh』の中でも強調されているが、ダイバーシティーも、両利きの経営をうまく実行するための重要な要素である。

 社員の多様性を絶えず向上させ、わが社の思考や意思決定に、幅広い意見や視点を取り入れることが必要になる。そのため、どんな会議の席でも、ただ耳を傾けるだけでなく、ほかの人に話を促し、全員が意見を表明できるようにした。多様性を受け入れれば、それぞれが自分の偏見を修正し、進んで態度を変え、社員全員の総合的な力を利用できる。違いを重視するだけでなく、それを積極的に探し出して、内に取り込む。そうすれば、アイデアを改善し、製品を向上させ、顧客のニーズにいっそう応えられるようになる。(『Hit Refresh』chapter 4より)

 よく誤解されがちだが、ダイバーシティーというのは、外見を多様化させることではない。日本ではダイバーシティーというと、女性を管理職にするとか、外国人を雇い入れることを指すことが多いが、それは外見を多様化させただけだ。

 本当の意味でのダイバーシティーは、異なる経験、経歴、文化、視点を持った人を受け入れ、その多様性をビジネスに生かしていくことだ。

 女性管理職に関しても、たとえばその女性が子どもを育てた経験がある場合には、周囲の男性とは明らかに異なる経験を持っているので、結果的にダイバーシティーを活かしたことになる。しかし、女性でも、普通に男性と競い合ってきた独身の女性の場合、性別が女性というだけで、その人を昇進させても多様性は必ずしも深まらず、むしろ同じような人の集まりになってしまうこともありえる。男性文化を持った女性というわけだ。

 ナデラはインド人で、大学までインドで過ごした。インドは米国より貧しいし、カースト制度もある。そういう場所で育っているので、アメリカ人とは視点や価値観が異なるうえ、メンタル面でもよりハングリーだ。そういう精神構造の持ち主には、組織に変化を与える力があるのだと思う。

コメント1件コメント/レビュー

画一的に扱っているのは企業のほう、というところ、そうかもしれません。
例えば私は日本語と英語以外にも話せる言葉がありますが、それはどうでもいいと言われたことがあります。
もったいないことがたくさんありそうに思います。(2018/02/15 16:59)

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「誤解だらけのダイバーシティー」の著者

根来 龍之

根来 龍之(ねごろ・たつゆき)

早稲田大学ビジネススクール教授

早稲田大学ビジネススクールのディレクター(統括責任者)と早稲田大学IT戦略研究所所長を兼務。ITと経営、ビジネスモデルなどを研究テーマとする。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

画一的に扱っているのは企業のほう、というところ、そうかもしれません。
例えば私は日本語と英語以外にも話せる言葉がありますが、それはどうでもいいと言われたことがあります。
もったいないことがたくさんありそうに思います。(2018/02/15 16:59)

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