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利益を追うのをやめて、利益率アップ

第3回:「独裁者」と呼ばれた専務が大変身

2016年6月17日(金)

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 ドラッカー教授の著作に学んで、成果をあげた日本の中小企業を紹介する本連載。ドラッカー教授の言葉を引用、解説した後、その言葉の理解を深めるのに役立つ、中小企業の実例を紹介します。今回は、前回に引き続き、北海道健誠社を取り上げます。利益の捉え方の大転換が、組織に変革をもたらしました。

【ドラッカー教授の言葉】

利益は、個々の企業にとっても、社会にとっても必要である。しかしそれは、企業や企業活動にとって、目的ではなく条件である。

『マネジメント[上]』(ダイヤモンド社)

【解説】

 人生においてお金が目的ではないのと同様に、企業経営において利益は目的ではありません。
 「事業の目的は顧客の創造である」と、ドラッカー教授は断言しました。
 顧客の創造を継続するのに、利益は必要不可欠な条件であり、手段であり、燃料です。
 何事も目的と手段を混同するとうまくいきません。目的を正しく理解すれば、視線が向かう方向が変わります。利益から顧客に目を転じれば、今まで見えなかったものが見えてきます。利益の唯一の源泉である顧客の姿がよく見えるようになるのです。

【実例】

 北海道健誠社(北海道旭川市)の瀧野雅一専務はかつて、高圧的なトップダウンのマネジメントを行っていた。

 一方的に指示命令し、意見する社員には「辞めて結構。代わりはいる」という態度を見せた。幹部社員とたびたび衝突し、何人もが会社を去った。父の瀧野喜市社長に「あなたの息子は独裁者だ」という手紙を送った元幹部もいた。

焦燥感から「独裁者」になる

北海道健誠社のクリーニング工場。木質バイオマスボイラーを導入している

 「ただ利益を出すのに必死だっただけ」と、瀧野専務は振り返る。

 1992年、20歳のときに父母と起業し、ホテルや病院向けのリネンクリーニングを主力に会社を成長させてきた。事業拡大に伴い、借入金が膨らんだが、クリーニング業の利幅は薄い。何とか利益を出さなければ、会社が立ち行かなくなる。

 焦燥感から、社員に厳しく当たる場面が増えていたのだ。

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「利益を追うのをやめて、利益率アップ」の著者

佐藤 等

佐藤 等(さとう・ひとし)

佐藤等公認会計士事務所所長

1961年生まれ。90年公認会計士試験合格後に開業し、現在に至る。2003年から、中小企業経営者などを集めたドラッカーの読書会を開始。13年間で700回以上を開催する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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