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「惚れた」を伝える大人気居酒屋のつくり方

起業家に求められる、人を会社に引きつけるエネルギー

2016年7月15日(金)

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店で勉強した若者たちを独立させ、「一国一城の主」とすることを目標にする居酒屋がある。宇野隆史社長率いる楽コーポレーション(東京・世田谷)傘下の居酒屋だ。
「繁盛しない店なんかない」というのが宇野社長の口ぐせ。独立した若者たちの繁盛店からも常に刺激を受け、新たな発想を生み続ける宇野社長の経営理念を紹介する。

 オレは飲食の世界に入って、もう50年近くになる。

 

 きっかけは学生時代、東京・下北沢のあるおでん屋に入ったこと。人様が作ったおでん種をぐつぐつ煮て出しているだけなのに、毎日お客さんで大賑わいの店だった。夫婦でやっていたんだけど、1年に合計1カ月ぐらいは「海外旅行につきお休み」って張り紙を店頭に出していた。こんな業界なら、オレでも楽しく仕事ができるんじゃないかと思ったんだ。
 大学は経済学部で、仲間はみんな銀行をはじめ大手企業にどんどん就職が決まっていた頃のことだ。「あいつら、すごいな」と思う反面、それはオレの世界じゃないなと思っていた。それでも、最初は親を悲しませないようにと、コーヒー豆を売る「会社」に就職した。

 

 配属されたのは、会社直営のコーヒー店。まずは「どうやって目立とうか」と考えた。先輩がモップで床を掃除しているのを見て、「こりゃ、雑巾で掃除すれば3カ月もしたら注目されるぞ」と思い付き、すぐに雑巾がけを始めた。すると、1カ月で会社の上の人がやってきて、「君、えらいね」と褒められてね。自分なりの工夫をするのが、とにかく楽しくて仕方がない性分。1年半ほど勤めたら、お客さんに誘われてその人が経営する店の店長になった。それから色んな店作りを経験したけど、ずっと、どうしたら来てくれたお客さんがまた絶対来たい店になるだろう、どうしたらお客さんに楽しんでもらえる店になるだろうと考え続けた。そして、1978年には楽コーポレーションを設立して、東京・経堂に自分の居酒屋をオープンした。今は約20店の居酒屋のおやじだ。

楽グループの居酒屋の一つ、東京・神泉の「楽椿(らくちん)」。鶏の半身揚げなどが看板料理だ(写真:高橋久雄)

 好きな仕事をしていると、仕事量というものは大して苦にならない。同じ飲食業界でも色々な仕事の仕方があると思うけど、自分の店を持てば自分ですべてをコントロールできる。それが、独立して店を持つ一番の魅力だ。

 もちろん、いつも楽しいことばかりじゃない。売り上げが伸びなくて悩むことだってある。でも、オレの中にはいつも、「プレーヤー」としての自分と「ディレクター」としての自分がいる。プレーヤーというのは、実際にお客さんに接して店で「商品」を売る立場の自分。ディレクターは、店全体に目くばりをする自分だ。
 例えば、ある料理が売れないとしたら、プレーヤーはそれについて悩む。だけど、そんな時はオレの中のディレクターに「売り方を教えてくださいよ」って、問いかける。すると、ちょっとの間、オレの中のプレーヤーは休むことができる。「お前の指示がおかしかったら、売れないんじゃないの?」なんてディレクターに文句を言う時だってある。今はもう実際に店に立つことはないけれど、こうやって2つの立場を切り替えながら考えていると、ストレスは溜まらない。

 売ろうと思う商品には、オレはとことん惚(ほ)れこむ。ディレクターという立場に立ち返ると、目先の状況がどうであろうと、改めてオレはどんなにそれに惚れ込んでいるかプレーヤーに伝えることができる。もちろん、オレの中のプレーヤーだけじゃない。現場にいる店の子たちに、どれだけオレがそれに惚れているか、面白がっているかを伝えられるか、それが店にとってはすごく重要だ。

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「「惚れた」を伝える大人気居酒屋のつくり方」の著者

宇野 隆史

宇野 隆史(うの・たかし)

楽コーポレーション社長

78年、楽コーポレーションを設立し、東京・経堂に居酒屋「くいものや汁べゑ」などを開く。88年、株式会社に改組し、社長に就任。現在は、首都圏に約20店を展開する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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