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評価法による株価の差額は「みなし所得」?

社員株主を迂回すれば、支配株主でも無税相続ができるのか

2016年9月2日(金)

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「会社に利益を残さない」などのユニークな経営戦略を大転換し、後輩社員に会社の「地盤」「看板」「かばん」を承継すべく新たな施策を相次いで打っている、広島市のメガネ小売りチェーン「21」。創業者の平本清氏が、裁判所や税務署を舞台に繰り広げた“株価騒動”の次の舞台は税務署。社員株主を経由して、支配株主が無税で自社株を相続できるのかという疑問に対し、税務官の判断を引き出す。

 前回、裁判所の判断により、売り手と買い手の希望価格に7000万円の差があった未公開株の買い取り訴訟について書きました。

 株の配当を基に株価を計算する配当還元方式で、経営陣が社員株主から株を買い受けていたB社ですが、その価格が(会社の持つ資産額を基に株価を計算する「純資産価額方式」に比べて)あまりに安すぎるため、裁判所によって「純資産価額の3分の1程度が妥当だろう」という仲裁案が提示され、一つの決着がついたわけです。

 残った疑問は、下の図のように「社員株主を迂回すれば、(同族企業の支配株主であっても)安く株を買い受けられる」という方法自体が合法なのか、ということです。仮に純資産価額の3分の1で買い受けたとしても、支配株主の手に渡れば、株の価値は(純資産価額方式で換算すると)3倍になるわけです。その差額については、贈与にならないのか。贈与税の対象にならないのか。

B社が行っていた自社株の譲渡のやり方

 もしこれが脱税でないなら、ぜひとも「21」グループでもその方法を採用しなければなりません。

 純資産価額方式と配当還元方式で計算された株価の差額は贈与にあたるのか?
 私たちは「21」の本社がある管轄の税務署へ連絡し、「ホームページで公開している裁判経緯を読んだ上で、税務署の判断を聞かせてほしい」という旨を伝えたわけです。

 株価騒動、第2ラウンドの舞台は税務署です。

贈与税を払わなければ脱税になる?

 さすがにそんなことを税務署に尋ねる企業などまずありませんから、最初は「おたくの税理士さんに相談してください」と言われました。

 税務官がそう言いたくなる気持ちは分かります。

 しかし、こちらとしても「はい、そうします」とは言えません。

 そもそもこの問題は「21」の税理士とB社の税理士との見解が異なるために起こっているもの。「21」の税理士は、支配株主が社員株主を経由して安値で株を買い受けたら、その差額は贈与にあたる。よって贈与税を払わなければ脱税になる、という見解を示しています。これについては、私のゴルフ仲間の経営者たち、私の知り合いの何人かの税理士さんたちも同意見でした。

 しかし「私の周りがみんなそう言っている」というだけで「それが絶対に正しい」とは言い切れません。現にB社の税理士は「それは違法ではない」「これまで50年間実施してきた実績がある」と主張しているのです。

 とにかく私は相手を否定しませんから、「相手が間違っている」という確証がない状態で「自分が正しい、相手が間違っている」なんて決めつけたくはありません。

 実際のところ、私たちが無知で、経験不足なために「そういう方法」を知らないだけかもしれませんし、私たちが知りもしない「税制特区」が存在したり、たくさんの税金を納めている企業には「優遇措置」が認められていたりするのかもしれません。

 だからこそ、私たちは監督官庁である税務署に聞くほかないのです。

 その旨を丁寧に伝えたところ、税務署で総括上席調査官、上席国税調査官を含む3名の方が説明のため、面会していただけることになりました。

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「“株価騒動”を起こして未公開株について学んだ」のバックナンバー

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「評価法による株価の差額は「みなし所得」?」の著者

平本 清

平本 清(ひらもと・きよし)

株式会社21 相談役

1950年生まれ。県下最大のメガネチェーンで商品部長などを歴任するも解雇され、元同僚4名で独立。「内部留保を持たない」などの経営手法で、100店舗以上に成長させた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長