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競合企業や製品を見過ぎるな

高杉康成の 売り上げ・利益を素早く伸ばす発想法 第2回

2016年10月18日(火)

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 新規事業や新商品・サービスの開発に取り組む際、必ず実施するのが「競合分析」です。どのような競合企業が参入し、どのような商品が提供されているのかを詳しく分析する手続きです。ところが、競争力を高めるための分析には、逆に競争力を落とすことにつながる可能性があります。他社の仕様ばかりにらんでいても、売り上げや利益は伸ばせません。そこから離れた新しい発想が必要なのです。

 「超高精細で画面がきれい。録画時間も長く、3番組同時録画ができるテレビを作ろう」。ある企業の商品企画担当者が立てた新商品のコンセプトです。このコンセプトを打ち出す前、企画担当者は競合企業の商品を分析していました。企画担当者が注目した競合商品の仕様は以下です。

 ・業界最高の高精細
 ・最長の録画時間
 ・2番組同時録画

 そこでこの企画担当者は、競合企業を超える商品を企画しようと考え、冒頭のプランにたどり着きました。企画担当者の思考の流れは以下のようでした。

 ・競合が「高精細」なら自社は「超高精細」
 ・競合の録画時間が200時間なら自社は300時間
 ・競合が2番組同時録画なら自社は3番組

 これは「チャンピオン仕様」のスーパーテレビです。しかも、価格は同等レベルで販売できるようにと……。しかしこれは、この商品を企画している会社に高い売り上げと利益をもたらすビジネスのプランといえるのでしょうか。

競合製品だけを見て企画したテレビは、真のニーズを捉えていない

 「どの競合の商品よりも優れていて、価格が安いものを作る」。実はこのようなプランは誰でも思い付きます。つまりこれは、利益を生み出すプランではなく、比較した商品の中で一番いい仕様のリストを作っただけなのです。

 どの競合商品よりも優れていて安い商品を作るためには膨大な資金と技術、ノウハウが必要です。ですから実際には、仕様が突出しているほど実現可能性は低くなります。ところが、こうした「リスト化」は様々な企業で行われていて、苦労して高い仕様の新商品を作って売り出しています。もっと言えば、他社と同じようなコンセプトで仕様の優劣だけで勝負する商品だと、市場に出た瞬間に激しい価格競争に翻弄されることになります。もちろん、市場で少しでも優位にリードできればよいのですが、仕様で勝負する会社は多いだけに後追いもすぐにやって来ます。

コメント1件コメント/レビュー

全く仰る通り。以前勤めていた会社の企画や営業が悪い見本そのものでした。顧客要求が某社のあの機能を入れろ、すると顧客が購入数を増やし売上がx%上がるはずだ!とばかりにいちいちライバルメーカーの機能や仕様に拘りまくり自社の製品の優位性+他社の優位性=独占みたいな可笑しな思考に陥っていた。開発側としてはそんなに他社のが良いならウチで売らせてもらえばいいじゃないかと皮肉を言っていた。で、他社と同じ機能を実装することは可能だが、現時点での単価見積より200円高くなるが良いか?と聞くとそんなに上がるなら要らない。無しでいいと言う。因みに単価は10万円。10万2百円では嫌だと。どうしても入れろと言うから強引に入れ込んだのに200円を嫌うなら後から入れろと言うな!という様なトンチンカンなやり取りの連続。当然他社はその機能分高いのだがそれを値上げ無しで入れて欲しかった模様。どんなに大量購入しようが部品価格そのまま上乗せにならざるをえずコストアップは不可避。他で削るにももう十分削り過ぎてこちらも無理。そもそも本当に顧客要求なのかも疑問があった。実際の顧客要求は調査では数万人といいつつ蓋を開けたら数人しか評価してくれなかった事もある。顧客からすればあっても無くてもいい程度の物を必須の機能と勘違いした事によるものだった。本来なら不要な機能を削除する事により大幅なコストダウンができたのにみすみすその機会を失ったばかりか評価もされず高いからと嫌われた事もある。ライバルメーカーとその顧客だけを見て本当に顧客が必要としている製品を考えていない。現在その会社は大きく売上が落ち込み買収や合併の話が出ています。(2016/10/18 10:50)

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「競合企業や製品を見過ぎるな」の著者

高杉 康成

高杉 康成(たかすぎ・やすなり)

コンセプト・シナジー代表取締役

神戸大学大学院経営学研究科修了(MBA)。キーエンスで新規事業・新商品グループチーフなどを務めた後、独立。高収益の実現を目標に、新規事業・新商品開発、提案営業力強化などの収益力改善を指導している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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全く仰る通り。以前勤めていた会社の企画や営業が悪い見本そのものでした。顧客要求が某社のあの機能を入れろ、すると顧客が購入数を増やし売上がx%上がるはずだ!とばかりにいちいちライバルメーカーの機能や仕様に拘りまくり自社の製品の優位性+他社の優位性=独占みたいな可笑しな思考に陥っていた。開発側としてはそんなに他社のが良いならウチで売らせてもらえばいいじゃないかと皮肉を言っていた。で、他社と同じ機能を実装することは可能だが、現時点での単価見積より200円高くなるが良いか?と聞くとそんなに上がるなら要らない。無しでいいと言う。因みに単価は10万円。10万2百円では嫌だと。どうしても入れろと言うから強引に入れ込んだのに200円を嫌うなら後から入れろと言うな!という様なトンチンカンなやり取りの連続。当然他社はその機能分高いのだがそれを値上げ無しで入れて欲しかった模様。どんなに大量購入しようが部品価格そのまま上乗せにならざるをえずコストアップは不可避。他で削るにももう十分削り過ぎてこちらも無理。そもそも本当に顧客要求なのかも疑問があった。実際の顧客要求は調査では数万人といいつつ蓋を開けたら数人しか評価してくれなかった事もある。顧客からすればあっても無くてもいい程度の物を必須の機能と勘違いした事によるものだった。本来なら不要な機能を削除する事により大幅なコストダウンができたのにみすみすその機会を失ったばかりか評価もされず高いからと嫌われた事もある。ライバルメーカーとその顧客だけを見て本当に顧客が必要としている製品を考えていない。現在その会社は大きく売上が落ち込み買収や合併の話が出ています。(2016/10/18 10:50)

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川野 幸夫 ヤオコー会長