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弁護士使いモンスター攻撃

2017年11月14日(火)

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 「交換は当然。なぜこのような不良品が市場に出てしまったのか。顛末を報告するように」。某家電メーカーのお客様相談室には、まるで上司のような口調の電話がたびたびかかってくる。顧客の用件としては、購入した家電製品に不具合があり、交換を要望するものだ。だが代替品に交換するだけでなく、経緯を報告書として提出することを求めるのだという。自分の主張が認められるまで何時間も食い下がる顧客も少なくない。

 このメーカーでは担当者の電話口が塞がれないように応対時間を決めている。規定の応対時間を超えると、上長に交代するよう促す。「人手不足のなか、オペレーターに辞められると困る」(コールセンターの責任者)。こうした度を越したモンスター顧客が企業の相談窓口を悩ませている。

 モンスター顧客はコールセンターのほかに売場や問い合わせメールなどあらゆる場所に出現する。森山経営法律事務所の森山満弁護士は「定年退職者や中高年の女性がモンスター顧客になりやすい」と指摘する。時間を持て余した人が自己顕示欲を満たすためにしつこく企業に迫りモンスターと化してしまう。

 あまりにしつこいクレームを受けてしまい、殺人事件に発展したケースもある。飲食店で長年にわたりささいなクレームを受け続けてきた店長が顧客を刺殺した事件も過去には起きている。

 こうしたモンスター顧客に対して企業は打つ手が少ない。元大阪府警の刑事でモンスター顧客の対応策を支援するエンゴシステム(広島県呉市)の援川聡社長は「『お客様は神様』だという考えを改めるべき」だと指摘する。

 お客様には絶対服従で耐えるしかないと考えている企業がまだまだ多いのだという。「応対時間は30分以内、むやみに訪問するなどしないといった毅然とした対応のルールを作るべき」(援川社長)。対応の範囲を超え業務に支障をきたしてしまうケースもある。

早い段階で警察と連携

 顧客を警察に通報し、逮捕してもらうのははばかられる。だが援川社長は「最寄りの警察署に早い段階で相談しておき、状況が悪化した場合に備えるべき」だと指摘する。コールセンターに何度も電話してきた場合は偽計業務妨害罪で告訴できる可能性がある。金品を騙し取れば詐欺罪で告発できる可能性がでてくる。だが、逮捕するまでの要件が厳しくなかなか至らない。

モンスター顧客の対応に企業は振り回されている(写真=アフロ)

「それは訴えてもムダ「勝てる裁判」「負ける裁判」」の目次

「弁護士使いモンスター攻撃」の著者

西 雄大

西 雄大(にし・たけひろ)

日経ビジネス記者

2002年同志社大学経済学部卒業。同年、日経BP社に入社。日経情報ストラテジー、日本経済新聞社出向、日経コンピュータ編集部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部記者。電機、ネットなどを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

長江 優子

長江 優子(ながえ・ゆうこ)

日経ビジネス記者

2012年中日新聞に入社し、事件取材などを担当。14年秋に日本経済新聞社に入社し、機械業界などを担当。17年4月から日経ビジネス編集部に出向。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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