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叱って効果があるのは信頼されている場合だけ

2015年10月24日(土)

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 店長など現場のリーダーとして多くのスタッフを指導する立場になると、言いにくいことも言わざるを得ません。知りたくなることの1つが「叱り方」にコツがあるのかどうかではないでしょうか。

 私自身はこう叱れば、相手が反省するといったテクニックを意識したことはありませんが、上司や先輩方、あるいは部下の「叱り方」を見て、これは見習いたいなと思うことや、逆に反面教師にしなければと肝に銘じた経験が多々あったのは確かです。

 その経験の中で言える大切なことは、2つあると思っています。

 まず1つ目は、「怒る」と「叱る」は別物であるということです。

 「怒る」というのは、単に自分の感情をぶつける行為に過ぎません。何か気に入らないことがあって気分が悪いから、相手に文句を言っている状態です。

 一方の「叱る」というのは、叱った相手に正しい道を歩んでほしいという気持ちがあってこそできることです。つまり、「怒る」と「叱る」の違いは、相手を思ってのことかどうかという点が決定的に違うわけです。

 短気ですぐに怒ってしまう人というのは、目の前で見たり聞いたりしたことで、瞬時に怒りのスイッチが入ってしまうことが欠点です。元々の性格という意味では、私も自分自身のことを短気だと思うのですが、昔から頭ごなしに人を怒鳴りつけるような人にはなりたくないと心に決めているので、感情に任せて怒ることはしないようにしてきました。

 例えば、目の前で部下が何らかのミスをしたとか、私から見て腹立たしい発言をしたとしても、なぜその人は、不適切な行動や発言をしてしまったのか、何か理由があるのではないかと、まずは思いを巡らせてみることにしています。

 そうすると怒りは消えて、自然に冷静になれますから、部下を怒らないで済むというわけです。もちろん必要に応じて、冷静に叱ることは大切で、場合によっては厳しい言葉で教え諭すこともあります。

 そして叱るうえで、何より注意しなければいけないのは、こちらが相手のことを思って叱れば、必ず分かってもらえるという思い込みは通じないということです。

 「聞く耳を持つ」という言葉がありますが、叱る相手との間に信頼関係があって、「あの人の話なら聞こう」と思ってもらえる関係がなければ、せっかく叱っても聞いてもらえません。極端な例え話かもしれませんが、信頼関係がない相手から、いくら叱られても、叱られる方は何か雑音が聞こえている程度の感覚で全く心に響かないものです。

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「モスフードサービス櫻田厚会長兼社長の「人間力の経営」 cooperation with 日経レストラン」のバックナンバー

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「叱って効果があるのは信頼されている場合だけ」の著者

櫻田 厚

櫻田 厚(さくらだ・あつし)

モスフードサービス会長兼社長

1951年、東京都生まれ。72年に叔父(創業者・櫻田慧)の誘いで、モスフードサービスの創業に参画。98年に社長に就任。2014年より会長も兼務

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官