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石原莞爾「謀略により機会を作製し軍部主導となり国家を強引す」

関東軍と一夕会が連携し事変を拡大

2015年9月17日(木)

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終戦から70年を迎えた。
「終わり」が注目されているが、戦争には「始まり」もあった。
いつが「始まり」かには諸説あるが、その一つに「満州事変」がある。
高校の日本史の教科書でこの文字を見た記憶のある方は多いだろう。
しかし、いったい何が起きて、その後の歴史にどのような影響を与えたか――についてはほとんど学んでいないのではないだろうか。
一方、中国は、満州事変が始まった9月18日を「国恥記念日」として強く記憶にとどめている。
歴史認識に注目が集まる今、ビジネスパーソンといえども満州事変について「知らない」ではすまされない。
この連載では5回にわたって、昭和陸軍の研究の第一人者である川田稔・日本福祉大学教授(名古屋大学名誉教授)から満州事変について学ぶ。今回はその第2回だ。

前回はこちら

 柳条湖事件を発端とする満州事変の計画は、どのように形成され実行に移されたのだろうか。

満州事変を主導した石原莞爾・関東軍作戦参謀。世界最終戦争を唱えた(写真=近現代PL/アフロ)

 関東軍の板垣征四郎・高級参謀、石原莞爾・作戦参謀らは、かねてから日中間で紛糾していた満蒙問題を解決するための軍事行動と、日本軍による全満州占領を考えていた(満蒙とは、満州および東部内蒙古をさす)。

 関東軍内での地位は板垣が上だったが、実際の主導権は石原にあった。石原は、関東軍に赴任する前から、20世紀後半期に日米間で世界最終戦争が行われることになるとの独自の信念をもっていた。そして、日米世界最終戦争に備えるため、満蒙の領有と中国大陸の資源確保を企図しており、それを実行に移したのである

世界最終戦争にも次期大戦にも満州の資源が必要

 一方、東京の陸軍中央(陸軍省・参謀本部)でも、中堅幕僚の横断的グループ「一夕会」が結成され、その中核メンバーは、満蒙領有を秘かに検討していた。一夕会は、会員40人前後で、永田鉄山、小畑敏四郎、岡村寧次、東条英機、山下奉文、武藤章、田中新一など。後に陸軍を動かすようになる多くの幕僚が加わっていた。板垣、石原も一夕会メンバーだった。

 一夕会の理論的中心人物は永田鉄山とみられていた。 永田は、早くから次期世界大戦は不可避であり、日本もそれに何らかのかたちで巻き込まれると判断していた。

 そしてこう考えていた。国家総力戦になると想定される次期大戦に対処するためは、国家総動員の準備と計画が必須である。それには国家総力戦を支える経済力の強化とともに、資源の自給自足が不可欠だ。だが日本には自給自足のための資源が不足しており、不足資源は近隣の中国に求めざるをえない。また必要な軍需資源は中国のそれをふくめればほぼ自給しうる。そして現に日本の勢力圏となっている満蒙を完全に掌握することは、中国資源確保への橋頭堡となる重要な意味をもつ、と。

 一夕会は、このような永田の構想に強い影響を受けていた。その中核メンバーは、満蒙を完全に掌握するため、満蒙領有を秘かに検討。来るべき国家総力戦にむけ、不足する資源を中国から確保するため、その足がかりとして満蒙の政治的支配権を獲得しようとするものだった。

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「石原莞爾「謀略により機会を作製し軍部主導となり国家を強引す」」の著者

川田 稔

川田 稔(かわだ・みのる)

日本福祉大学教授

1947年生まれ。1978年名古屋大学大学院法学研究科修了。法学博士。名古屋大学大学院環境学研究科教授などを経て現職。名古屋大学名誉教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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