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国内で英語を学ぶには何を素材にすれば良いか?

2017年1月7日(土)

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 私たちは、海外に住むことなく、国内で英会話力を身につけようとしています。しかも、このコラムの読者の方の多くは「大人になってからの挑戦」です。ですので、今回はこの条件下で、どのようにすれば短期間で会話力を身につけることができるかについて考えてみたいと思います。

夢に近づく方法

 ネイティブスピーカーのように英語を話したい、映画・ドラマを字幕なしで分かりたい――これは英語を学習する人ならだれもが持つ夢でしょう。この夢を心の中に置いておくことはとても大切です。大きな学習の動機を与えてくれるからです。でも、夢というものは手軽にすぐに叶うものではありません。

 特に英会話はこれまでたくさんの人がチャレンジして、思うような成果を得ていないという事実があります。「英語を自在に話せるようになりたい」という夢に近づくには、アプローチの仕方をよく考え、学習方法を工夫することが大切です。

 英語を流暢に話せるようになるには海外に住んでいても最低4~5年は必要です。それも日本にいる知り合いと日本語でLINEやスカイプ電話で話をしたり、現地で日本人同士で仲良くワイワイとやっていたりでは到底無理で、完全に英語に自らを埋入する時間が長期間必要です。

 でも、だからといって、国内で、それも社会人になってから習得するのが不可能だということにはなりません。むしろ、中途半端に海外に留学して中途半端な英語力を身につけるよりも、英語を「外国語」であるとしっかりと理解し、日本語をフルに活用して国内で賢く学習する方が、質の高い英語を身につけることのできる可能性さえあります。実際のところ、海外に留学して、とんでもないスラングばかりを覚えて帰ってきたという話や、2年、3年と滞在しても結局モノにならず帰国したというような話を耳にします。

 英語の会話力に関する限り、基本的に国内で学習することは海外にいるよりも不利です。しかし、よく狙いを定め、的確にアプローチすることで、少なくとも部分的にはネイティブ並み、あるいはそれを越える力をつけることは可能です。

 たとえ「部分的」であっても、「ネイティブ並み」、あるいは「それを越える会話力」をつけることができるとすれば、それは多くの人にとって、1つの大きな目標になり得るのではないでしょうか。

 今では各種英語試験にスピーキング・テストが組み込まれてきており、もはやスピーキング力の強化は国を挙げてのチャレンジといっても過言ではありません。また、IT技術の普及によって、学ぶためのツールや素材はいくらでもありますので、何とかしたいところです。

狙いを定める

 狙いを定めるというのは、「どのような会話力を身につけたいか」という点を明確にするということです。そう言われても「会話力に何か種類があるのですか? 英語は英語では?」と考える人もいるかもしれません。ここが1つの大きな運命の分かれ目です。

 私たちは普段あまり意識していませんが、言葉というのはとても巨大なシステムで、膨大な情報が含まれています。それも、歴史や理科のように整然と知識が並べられているのであれば、少々やっかいでも順番に覚えていけばそれで済むのですが、言葉はそうはいきません。なぜなら言葉は単に情報が多いだけでなく、それぞれの情報がダイナミックに複雑に関連し合っているからです。このような情報の中から、必要な情報を適切なタイミングで正確に引き出し、口にするには、かなりの「習熟」あるいは「慣熟」が必要です(※)

(※)語彙が重要なことはもちろんとして、文法も、態や話法の転換のようなことをやっていては無用な遠回りするだけです。動名詞、分詞構文、現在分詞、他動詞、自動詞などもすべて不要です。これが「文法のための文法」と「英語習得のための文法」の違いです(『英語の見方が変わる秘密の鍵』参照)。

コメント4件コメント/レビュー

30代半ばから30年以上続けている者です。留学経験はありません。腕試しの意味で十数年前に一度受けたTOEICでは950点でした。著者には半分賛成ですが、ラジオ英会話番組やPodcastが出てこないのには驚きました。

映画は勉強になりますが、ジャンルを選びます。自分の得意分野かromantic comedyがよいと思います。難点の一つは、日本語字幕は意訳に過ぎ、英語学習者向きではないことです。お勧めはDVD等で英語字幕で見ることです。

リスニング用素材は多いですが、問題は日常生活の中で話す機会を確保することです。nativeと話すことが上達の近道ですし、その為にはnativeでも人間性が重要です。この為今でも英会話学校を続けていますし、nativeの友人も増えました。そんな人達と英語で(!)自分が好きな話題を話すのが、最大の楽しみです。“英語を学ぶこと”を目標にすると続かないでしょう。

なお、"give sb the benefit of the doubt"の表現は以前に出会いました。“疑わしきは罰せず”の文脈で見かけますが、多くの場面で使われることを、後で映画を見て知りました。(2017/01/12 11:20)

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「国内で英語を学ぶには何を素材にすれば良いか?」の著者

池田 和弘

池田 和弘(いけだ・かずひろ)

大阪観光大学国際交流学部教授

「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など最新の知見を駆使して、受験英語と実用英語を融合。日本有数の英語学習法のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

30代半ばから30年以上続けている者です。留学経験はありません。腕試しの意味で十数年前に一度受けたTOEICでは950点でした。著者には半分賛成ですが、ラジオ英会話番組やPodcastが出てこないのには驚きました。

映画は勉強になりますが、ジャンルを選びます。自分の得意分野かromantic comedyがよいと思います。難点の一つは、日本語字幕は意訳に過ぎ、英語学習者向きではないことです。お勧めはDVD等で英語字幕で見ることです。

リスニング用素材は多いですが、問題は日常生活の中で話す機会を確保することです。nativeと話すことが上達の近道ですし、その為にはnativeでも人間性が重要です。この為今でも英会話学校を続けていますし、nativeの友人も増えました。そんな人達と英語で(!)自分が好きな話題を話すのが、最大の楽しみです。“英語を学ぶこと”を目標にすると続かないでしょう。

なお、"give sb the benefit of the doubt"の表現は以前に出会いました。“疑わしきは罰せず”の文脈で見かけますが、多くの場面で使われることを、後で映画を見て知りました。(2017/01/12 11:20)

社会人になってから英語学習を始めて、3,000時間弱でTOEIC900点獲った英語中級者です。
興味深く拝読しました。

教材選びは本当に大切だと痛感している身としては、著者の仰るとおりだと思います。ただし、「例文集は気の向いたときに軽くやる」という意見には懐疑的です。
英語で話すためには膨大な発話トレーニング(巷でいわれている瞬間英作文など)が必要と感じているので、気の向いたときに軽くやっているだけなら「全くやらない」のと大差ないと思ってしまいました。(批判という訳ではありませんので悪しからず)

ドラマの類が「最強に難しい素材」であることは同意です。
私自身、現在は字幕なければ内容理解できないので、どのような学習方法を紹介されるのか次回以降の記事楽しみにしています。(2017/01/10 16:32)

確かに、私の場合は海外旅行のためとか、英語そのものに興味があるわけではなく、映画や洋楽についてより理解したいから英語を学びたいというクチなので、例文集を読むよりも問題集を解くよりも、映画などの方がはるかに有用性を感じています。学習のためとはいえ、興味ないことに割ける時間もお金もないですし。
その点、最近のDVDやBlue-rayには英字の字幕も入っていて、聞き取れない箇所があっても文字で補完できるし、役者さんのセリフで発音練習できたりとほんと便利だなと思います。
あと、日本語字幕は元のセリフから省略されていたりそれによってこちらが誤解していたことに気づけ、作品理解が深まるのもありがたいです。あとはネットで海外の人の感想を見るのも興味深くて、どこにも行ってないのにほんと世界が広がるという感じがします。
普段の会話程度の英語学習は映画やドラマで補えるので、出来ればTEDなどのスピーチの映像なんかもデフォルトで英語字幕を選べるといいのですけどね。有料サービス的な何かではなく…検索次第でそれも出てくるのかもしれませんが。(2017/01/10 12:13)

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