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実録:英語で仕事ができるようになった人

実体験から学ぶ

2016年4月16日(土)

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 前回は、日常会話がなぜ難しいかについて説明し、グラマーは過去分詞(p.p.形)を扱いました。今回は、実際に国内・海外で英語と格闘し、仕事ができるようになった人の手記をご紹介したいと思います。取り上げた方は、米国でMBAを取り、ベンチャー企業の立ち上げなどで活躍してきた方です。

<手記 part①> 毎日リスニング、しかし…

 私の体験がどこまで役に立つか分かりませんが、国内でも海外でも相当大変な目にあっています。まず、中学に入るとき、英語がとても得意だったという当時大学生だった知り合いから、ラジオ英会話を聴いているだけで十分と言われ、いろいろなプログラムを3年間、毎日20分程度聴きました。

 その結果、確かに耳が慣れて中学レベルのリスニングにはあまり困らなくなりましたが、学習法がよく分からなかったために語彙も増えず、文章の読解の仕方も分からないまま高校入試が迫り、結局のところ文法や長文読解の問題集を解いて勉強しました。

 ところが、高校に入ると一気に文法が難しくなり、苦手意識が生まれて、3年の頭には成績がビリに近くなってしまいました。

●ここがポイント!

 リスニングから入ったというのは正解です。言葉は、耳から覚えるのがもっとも負担が少なく効果的だからです。そもそも「音+意味」が言葉の正体です。

 しかし、英語と日本語は音声が異なりますし、語順も違いますので、スクリプトの英文と和訳を突き合わせたり、音読したりして、音声・意味・文字をしっかりと結びつける必要があります。

 次に、学習法がとても大切であることが分かります。私たちは、普段日本語を、それこそ、ペラペラと話しているわけですから、言語能力が無いということは有りません。ある程度までは必ずいけます。問題はその方法です。このコラムでもさまざまな角度から効果的な方法をご紹介しています。

 文法でつまずいたという点については、「やはりそうか」という共感を持った人も多いのではないでしょうか。これについては、ズバリと言って、高校・中学の文法解説はそのほとんどが不要で、無闇に英語の習得を難しくしているだけです(※)

(※)最近はこの点が理解され、受験英語においても文法を簡素化する方向へと大きく動いています。

<手記 Part②> 復活!

 しかし、高3になって、英作文の先生が面白い先生で、シンプルな英文をどんどん覚えさせました。しかも日→英の順序で。 それで、かなり英語の感覚がつくようになり、それで勢いがついて、分からなかったらすぐに和訳や答えを見るというやり方で文法や長文読解の問題集をたくさん、集中的に解きました。その結果、3ヶ月くらいで一気に得意教科にした覚えがあります。センター試験でも一問だけの間違いでしたし、私立の入試も英語はほぼ満点だったと思います。

●ここがポイント!

 センター試験がほぼ満点ということは、この人はもともとの知的能力が高いと思われます。しかし、そんな人でも文法のために英語嫌いになりかけたという点にまず注目したいところです。つまり、これまでの文法にはそのぐらいの“破壊力”があるわけです。

 ではなぜこの人が復活できたのかというと、シンプルな英文を使って日本語から入るようにすると、意味がはっきりと理解できるため、集中しやすく、また、意味と構造を一対一で理解しやすくなるからです。

 また、彼が「分からないところはすぐに答えを見た」というのもとても大切な点です。日本の英語教育ではなるべく答えを隠し、「出来るまで考える」というスタイルが多いですが、このようにして「リアルタイムの解答チェック」を行うと、頭が集中しているところに、ピンポイントで正解がインプットされるので、最大の効果を引き出すことができます(※)

(※)私は、予備校時代にこのやり方を一歩進め、“初めから答えを教える”という方法で教えていました。その結果、「四択問題を一問も解かないのに解けてしまう」という生徒が続出して、150人は入ろうかという教室があふれることがありました。もちろん、文法解説はシンプルに徹し、「英文のマスターキー」などの“根幹部分”を中心に行いました。

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「実録:英語で仕事ができるようになった人」の著者

池田 和弘

池田 和弘(いけだ・かずひろ)

大阪観光大学国際交流学部教授

「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など最新の知見を駆使して、受験英語と実用英語を融合。日本有数の英語学習法のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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