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洋楽のパワーで英語力を伸ばす

私を驚かせた受験生

2017年5月13日(土)

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 本コラムでも何度か紹介していますが、英語の学習の一つの有効な手段は映画・ドラマです。何を学習するにしても、そのカギは集中力にありますが、その点、映画・ドラマはとても優れていて、自分の好きな作品であれば、VR(仮想現実)に近い感覚で集中できます。映画やドラマを観ていて、笑ったり、ドキドキしたり、ハラハラしたりした事は誰にでもあるはずです。このときに起こる記憶というのは、強力です。しかも、それは「楽しい集中」ですので、すべてがプラスに増幅されます。

 逆に弱点は何かというと、一つには、映画やドラマの英語は“外国人”である私たちにとっては使用される語句・表現、そして速度などの点で、敷居が高いケースが多いということです。また、会話が本当の意味で生きているため、ストーリー展開と複雑に絡み合っており、表現を部分的に切り出して使うことが難しいという点もあります。

 これらの点に配慮して、会話をシンプルにとらえ直し、Aさんが何かを言ってBさんが答えるという一対の最小単位の会話にしたのが、「マイクロ会話」です。「マイクロ会話」はレゴのブロックのように自在につなげることができますので、これを特定の話題に絞って練習すると、ごく短期間に「話す感覚」を体験することができます(※)

(※)この考え方に基づく教材は高く評価され、イードアワード賞という賞を2年連続で獲得しました。それをさらにパワーアップしたものが、スピークエッセンスという英会話教材です。

 このように、私はこれまで色々と工夫を凝らし、単語集から学習法、文法本、さらには英会話教材までを開発してきたのですが、それはすべて「learner-friendly」(学習者にやさしい)を実現するためでした。「外国語」として英語を学ぶことはそう簡単なことではありません。やる気があるのに学習方法が分からない、思うように学習が進まない、という人たちが今でもたくさんいます。その点を何とかしようというのがこのコラムのテーマです。

 ここで話を戻すと、映画やドラマというのは英語をVR的に体験できる、ある意味で最強の学習ツールなのですが、使いこなすことはそう簡単ではありません。そこで、今回はこれと同じぐらい強力な学習素材をご紹介したいと思います――それが「洋楽」です。

私を驚かせた英作能力

 社会人や大学生、高校生など、私はこれまでに何千人という生徒を直接教えてきました。その中には、全国で英語の成績が何番というようなとてつもない能力の持ち主が何人もいました。しかし、私を本当の意味で驚かせた生徒は、たった一人です。しかも、彼は特段に高い能力の持ち主というわけでもなく、ごく普通の生徒でした。どうして私がその生徒に驚いたかというと、明らかに日本人離れした、素晴らしい英文を書いたからです。彼の書く文章は、文法がどうのというよりも、語句の使い方が日本人離れしていました。言葉に対する感性が語感レベルで違っていたのです。

コメント3件コメント/レビュー

洋楽は英語力伸びないよ。周りのアメリカ人もイギリス人も言ってる。大好きでエミネムからハリーコニックJrまで完コピするけど大して意味がない。(2017/05/15 22:58)

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「洋楽のパワーで英語力を伸ばす」の著者

池田 和弘

池田 和弘(いけだ・かずひろ)

大阪観光大学国際交流学部教授

「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など最新の知見を駆使して、受験英語と実用英語を融合。日本有数の英語学習法のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

洋楽は英語力伸びないよ。周りのアメリカ人もイギリス人も言ってる。大好きでエミネムからハリーコニックJrまで完コピするけど大して意味がない。(2017/05/15 22:58)

細かいことですいません。"It"を「悩み」と解釈して、"Let it go" を「悩みを手放すのよ」と読んでらっしゃるようですね。つまり「悩みよさようなら」とか「悩みはどっかにいってしまえ」みたいに。が、多分それは間違いです。"Let" は、そうしたがっているものにそうさせてやる、という意味ですから、"it" は何か「出てきたがっていたもの」です。"go"は、どこかに行ってしまう、ではなくて、自由に動く、のような感じ。そこで、あの歌の状況を考えると、今まで自分で抑圧していたものを「開放する」のが "let it go" です。(2017/05/14 11:55)

 やっと英語がわかる人の文にあえた。文中にある「コンテクスト(意味背景)」。contextの訳が、日本語では歪んで解釈されている。これは辞書にも書いてあるように、textというのは本来「布」と言う意味で、その直系にあたるのが「テクスチャー」や「テキスタイル」。だからcontextを訳すなら「(自分自身を取り巻く)状況」といった意味でとらないと、全く通じない言葉になってしまう。
 ところが日本では、一応賢いことになっている科学者がことごとく「文脈」。もちろん文脈でも完全な間違いというわけではないが、それがよけいに中途半端な文章を作っているような気がする。文章を推敲するといことを、こういった連中はやっていないんだろうか。
 論理は言葉でできている。この程度の言葉さえも使いこなせないで、どこに思考があるのだろうか。

 最近考える教育と言われているが、結局権威というのは考えなくてもなれるということだろうね。(2017/05/13 12:02)

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