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他言語に触れると英語がやさしくなる

英語力を伸ばすための意外な方法

2017年8月19日(土)

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 最近ネットで海外の音楽会やバラエティ番組、ニュースなどを観ていてよく思う事があります。それは、様々な国の人たちがいかに英語を自然に受け入れ、当たり前のように使っているかということです。

 たとえば、先日ある指揮者が歌唱コンテストの優勝者についてオランダ語で紹介している動画を見たのですが、軽妙に話をする中でごく自然に“How do they say that? A piece of pie? A piece of cake, right.”などと英語を織り交ぜる訳です。これはもちろん、半分ジョークなのですが、あまりにも自然なので、聴衆も和やかに笑っていました。笑えるということは、聴衆にとっても何ら違和感がないということです。もしあればジョークは成り立ちません。

 また、先日、ブラジル人の有名なバレーボールの指導者が日本に来て中学生に教える企画をテレビで見たのですが、その人はポルトガル語で色々な指示をしながらも、「Good job!」「Excellent!」などとごく自然に英語を織り交ぜていました。

 これは指揮者の場合と違って、パフォーマンスではありません。子供たちを褒める中で、ごく自然に英語が口から出ていたのです。つまり、彼にとって英語はそのぐらい身近なもので、ポルトガル語に織り交ぜることは決して不自然なものではなかったのです。

 しかし、もしこれを日本で行ったとすると一体どうなるでしょうか。つまり、日本語での会話に英語の単語や表現を織り交ぜるわけです。そのようなことをすれば間違いなく、変わり者と思われてしまうでしょう。

「異物」という感覚

 最近は日本でもグローバル化、グローバル社会という言葉がよく使われ、会話力が大切だ、と大騒ぎになっているのですが、そもそも英語を「異物」のように扱う感覚が、私たちの最大の弱点ではないかと思うことがよくあります。「異物」と捉えている限り、身に付くものも身に付かないからです。

 上の例のように、学んだ英語、知っている英語を片っ端から日本語に混ぜて会話を楽しむ――そのぐらいの柔軟性や遊び心が生まれたとき、初めて「英語を使う」「英語で話す」という事ができるのではないかとよく思います。

 少なくとも、あなたの中では英語を「異物」にはしないようにして下さい。そのためにも、映画でもドラマでも何でも構いませんので、自分が好きな素材、身近に感じることのできる素材を一つか二つ見つけて、それを丁寧に身に付けて下さい。そして、同じ意思を持つ人を見つけてどんどん英語交じりの日本語で話して見て下さい。英会話は実践で使うことが大切ですが、いきなり「100%英語で」などと考えると心理的な障壁になるだけでなかなか進歩しません。日本語の流れに乗せつつ、単語やイディオム、決まり文句を混ぜるようにすると、無理なく英語を使う感覚、話す感覚を養っていくことができます。

コメント4件コメント/レビュー

「英語の学びにくさ」の一因には、英語がクレオール的な混淆言語であり磨耗が激しく、文法に例外が多すぎることが挙げられます。人称代名詞の活用や三単元のs、仮定法における過去形、助動詞等、英語初心者が「なんでこんな面倒臭いことをしてるんだろう」と感じる素朴な疑問はドイツ語やフランス語、遡ってラテン語を触れば氷解します。言わば盲腸や尾骶骨を見て「これは何の役に立っている器官なのか」と無駄に悩まされるようなところが英語には多いです。
翻って、英語圏で発行されている日本語の教科書には「日本語はその文法の再帰性で名高い(=文法規則に例外が少なく応用が容易い)」とあります。母語の規則性に慣れ親しんだ日本語話者にとって英語のハードルが高いと感じられるもう一つの原因と思われます。(2017/08/21 11:28)

「日本語を活用した英会話習得法」のバックナンバー

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「他言語に触れると英語がやさしくなる」の著者

池田 和弘

池田 和弘(いけだ・かずひろ)

大阪観光大学国際交流学部教授

「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など最新の知見を駆使して、受験英語と実用英語を融合。日本有数の英語学習法のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「英語の学びにくさ」の一因には、英語がクレオール的な混淆言語であり磨耗が激しく、文法に例外が多すぎることが挙げられます。人称代名詞の活用や三単元のs、仮定法における過去形、助動詞等、英語初心者が「なんでこんな面倒臭いことをしてるんだろう」と感じる素朴な疑問はドイツ語やフランス語、遡ってラテン語を触れば氷解します。言わば盲腸や尾骶骨を見て「これは何の役に立っている器官なのか」と無駄に悩まされるようなところが英語には多いです。
翻って、英語圏で発行されている日本語の教科書には「日本語はその文法の再帰性で名高い(=文法規則に例外が少なく応用が容易い)」とあります。母語の規則性に慣れ親しんだ日本語話者にとって英語のハードルが高いと感じられるもう一つの原因と思われます。(2017/08/21 11:28)

コラムの内容に半分賛成で、半分賛成できませんでした。
他の外国語に触れると確かに「英語は結構できるじゃん」と実感することはできます。でもそれで英語の勉強を頑張ろうとは思いません。英語だけじゃだめなんだな、と思うだけです。(2017/08/20 17:08)

英語を混ぜるって、日本人でも多いけど、、、、
インテリ気取りの人や、かつての長嶋さん、ルー大柴などなど、、、
日本語はカタカナ語として、非常に多くの「外来語」を持つ。他の言語よりも多いと思う。
ポルトガル語やオランダ語に英語を混ぜるのは、同じ語族だから、違和感が少ないのだろう。
オランダ語など、英語のもとになった言語ではないか?
同じ語源を持つ言葉が、英語、オランダ語、ポルトガル語に共通しているのである。(2017/08/19 12:23)

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