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こうすれば文法はやさしくなる

知らないと損をする簡単な知識

2017年9月16日(土)

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 英語につまずかないためにまず大切なのは「読み上げ力」である、と前回のコラムでお話ししました。その次が語彙力で、そして文法となります。このうち、語彙については短期間に爆発的にということであれば、取りあえずは私の書籍もしくはアプリをお勧めします。和文の中に英単語が埋め込まれているため、超高速で頭に入ります。

 ここでも、「見て読めるようにする」がポイントで、これさえできれば、意味は「すでに知っている」ので簡単に身に付くわけです。

 たとえば、「ダウンロードする」という言葉はだれでも知っていますね。これを「downloadする」にするだけのことです。実際にはもう少し長い和文を使いますが、このようにして和文の中に単語を入れると、ごく自然に無理なく頭に入るわけです。こうして短期間に高速で語彙を増やすと、すぐに実際の英文の中に覚えた単語が出てきますので、そこでニュアンスや用法などを理解していきます。実際の英文で使われ方を学ぶのはリアルでワクワク感があるものです(本連載『英語への苦手意識が治る5つのポイント(前編)』参照)。

 さて、残ったものは文法となりますが、これは少々のことでは乗り越えることはできません。なぜなら、私もかれこれ50冊程度の文法書に目を通して来ていますが、そのほとんどが英語を徹底的に分解して説明しているからです。このような方法を要素還元論といいますが、説明し切ろうとするとすればするほど当然ながら話は長くややこしくなり、矛盾なども表面化しやすくなります。

 一方で、ごくわずかですが、新しい英語のとらえ方を紹介するものも出始めています。これは認知文法と呼ばれるものに基づく解説方法ですが、この場合、前置詞など、いくつかの点は分かり易く説明できるのですが、英文の構造をうまく説明することができません。

 昔と比べて今の文法書が確実に進歩していると感じる点は、イラストが増えたという点です(これだけでも、とても有り難いことですが)。

 それでも文法書だけが問題なのであれば、まだ救われるのですが、演習用の問題集の方も奇妙な発問がまだまだ残っています。たとえば、「つぎの英文と同じ文型の英文を選びなさい」というのはその典型です。これは5文型についての発問ですが、これで苦労したのは私だけではないと思います。百歩譲って、たとえ5文型が必要なものだとしても、学ぶ側にその分類を強いると大きな傷を与えることが往々にしてあります。

 目的語って何ですか? 補語って何ですか? そもそも現代文法では目的語と補語を区別しません。どちらも「補完する語」(complementizer)と呼ばれています。

 他にも態や変換なども、あまり意味のある練習のようには思えません。普通の文も受け身の文もどちらも独立して存在しているからです。たとえば、ここに日本語を学んでいる外国人がいるとして、「彼女はその猫が好きです」という文を懸命に「受け身形」に変換しようとしていると、あなたはどう思うでしょうか。また、そのような問題がゾロゾロ並んでいるのを見るとどう思うでしょうか。きっと大きな違和感を感じるはずです。

 話法の転換も同じことで、基本的に言って、英語力とはあまり関係の無いいびつな演習です。

 こういった点をよく理解して悪問を避けるようにすると、英文法ははるかに簡単に習得できるようになります。

 もし、あなたが英語を一から学び直そうとしているのであれば、文法の解説ではなく、英文の「形と意味」に焦点を当てることをお勧めします。「英文のマスタ―キー」について知るだけでも、英語はグッと易しくつかめるようになります。

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「こうすれば文法はやさしくなる」の著者

池田 和弘

池田 和弘(いけだ・かずひろ)

大阪観光大学国際交流学部教授

「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など最新の知見を駆使して、受験英語と実用英語を融合。日本有数の英語学習法のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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