言葉というモノは巨大で複雑です。この点をよく考えて「スピーキング」に挑戦しないと、ほぼ確実に挫折します。「いかにして海外に長期間住まずに、国内で英語をマスターするか」、それがこのコラムのテーマです。その秘訣の1つとして、前回は、まず1語~3語ぐらいの語句で勝負しなさい、と述べました。
私たちには幾つかの悪癖があります。その1つが、流暢に、フルセンテンスで英語を話せないと話したことにはならないと考えている点です。これは大変な誤りで、1語、2語でスパッと通じる例はいくらでもあります。
例えば、“How are you?”(お元気ですか)と聞かれれば、“Good.”(いい調子ですよ)や“Not bad.”(まあまあです)と答えれば良い。テロ事件について聞かれれば、取りあえず、“Horrible.”(恐ろしいです)。会社の同僚のことを聞かれて、「とても手際の良い人ですよ」と言いたいのであれば、一言、“Efficient.”と言えば良いのです。どうですか、あなたはこれらの語句を使えますか。
決まり文句を徹底的にトレーニング
さて、語句の次に攻めないといけないのは、7語ぐらいまでの決まり文句とその応答パターンです。例えば、
- A:How was your weekend?(週末はどうでした)
- B:I had a great time.(楽しかったですよ)
のような決まった会話のパターンは、徹底的にトレーニングしておくべきです。会話の中には「決まったやり取り」というのが結構ありますので、それに慣れておくと心の余裕ができて会話を続けやすくなります。
決まり文句や決まった会話パターンというと、「それでは応用が利かない」と思う人がいるかも知れません。決してそんなことはありません。例えば、上の会話例1つをしっかりと練習すると、つぎのような会話もすぐにできるようになります。
- A:How was your trip?(旅行はどうでした)
- B:I had a great time.(楽しかったですよ)
つまり、決まり文句が応用につながっていくのです。さらに次のようにも展開していけます。
- A:How was your presentation?(プレゼンテーションどうだった)
- B:I had a hard time.(大変だったよ)
日本語で脳内のネットワークを起動させ、「意味のイメージ」をしっかりと頭に置きながら、音声で耳から覚えつつ、声にも出して、徹底的にトレーニングするのです。日本語を耳にすると、口が勝手に動いて英語が出てくるぐらいにまで身に付けると、それは使える表現となります(※)。
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