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なぜ、一流のプロは、「多重人格」なのか?

2015年10月21日(水)

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一流の経営者は、昔から「多重人格」

先生は、今年5月に上梓された新著、『人は、誰もが「多重人格」― 誰も語らなかった「才能開花の技法」』において、人は、誰もが心の中に「複数の人格」を持った「多重人格」であり、日常においては、無意識に、仕事や生活の状況や場面に合わせて「様々な人格」を使い分け、それによって、他人と円滑にコミュニケーションを取り、仕事で高いパフォーマンスを発揮していると述べられていますね。

 そして、我々が、自分の中に隠れている「様々な人格」に気づき、それらを意識的に育て、状況や場面に応じて適切な人格で処する「多重人格のマネジメント」を身につけるならば、自然に「様々な才能」が開花していくと述べられていますね。

田坂:ええ、この新著では、そのことを様々な事例を挙げて述べています。

特に、先生は、この新著の中で、「分野を問わず、一流のプロフェッショナルは『多重人格』であり、『様々な人格』を切り替えながら仕事をしています」とも述べられていますが、これは、具体的には、どういうことでしょうか?

田坂:例えば、ビジネス・プロフェッショナルとしての最も高度な仕事である経営者。これは、昔から、「多重人格」でなければ務まらない職業ですね。

 例えば、全社員の前で会社の将来ビジョンを語るとき、「ロマンと情熱」を持った人格が前面に出てこなければ、社員の心に火をつけることはできません。
 一方、経営会議で経営幹部を相手に収益計画の話をするとき、「数字の鬼」とでも呼ばれるような厳しい人格が前に出てこなければ、企業の存続さえ危うくすることがあります。

 また、若手社員に対しては、「優しい親父」といった人格で接する一方、幹部やマネジャーに対しては、「強いリーダー」の人格で処する必要があります。
 こう考えてみると、一流の経営者は、誰もが「複数の人格」を見事に使い分けているのですね。

たしかに、そう言われてみれば、一流の経営者は、幾つもの「顔」を持っていますね・・・。

田坂:そうです。経営者というものは、本来、様々な人格を持ち、それを場面や状況に応じて自在に使い分けられることが高度に求められる職業なのですね。
 言葉を換えれば、「部下や社員のマネジメント」以前に、「自分自身の複数人格のマネジメント」が、洗練されたレベルで求められる職業なのです。

なるほど・・・。それは、政治家というプロフェッショナルも同じですね?

田坂:そうです。それが一流の政治家であるならば、必ず、「複数人格のマネジメント」を、意識的にも、無意識的にも、見事に行っています。

 私は、世界経済フォーラムの年次総会、ダボス会議で、毎年、各国の大統領や首相のスピーチを聴きますが、イギリスの元首相、トニー・ブレアなどは、一つのスピーチの中で、幾つもの人格を使い分けて話をしますね。

 スピーチの冒頭、卓抜なジョークで聴衆の心を掴んだかと思うと、テロとの戦いなどの話になると、鋼(はがね)のような信念を語り、話題がNPOなどの社会貢献の話になると、爽やかな笑顔で、聴衆の心に沁み入る話をします。
 彼は、見事に人格を切り替えて話をしますね。

 また、ロシアの大統領、プーチンは、カメラやマイクのあるメディアのインタビューのときは、あの「真面目な仏頂面の人格」で話をしますが、よく知られているように、カメラやマイクが無い、オフレコの状態になると、急に、「饒舌に冗談を語る人格」になります。

たしかに・・・彼は、その二つの人格を使い分けていますね・・・(笑)。

 ところで、ここで一つ質問ですが、先ほどから先生は「多重人格」という言葉を使われていますが、この言葉は、本来、精神病理学などでは、「精神の病」の状態を表す言葉ではないのでしょうか?

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「田坂広志の誰も語らなかった「才能開花の技法」」のバックナンバー

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「なぜ、一流のプロは、「多重人格」なのか?」の著者

田坂 広志

田坂 広志(たさか・ひろし)

多摩大学大学院教授

1974年東京大学卒業、81年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。米シンクタンク客員研究員などを経て、2000年多摩大学大学院教授に就任。2011年3~9月、東日本大震災に伴い内閣官房参与に就任

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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