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トヨタ、デジタル予算倍増しDMPも独自開発へ

2015年11月30日(月)

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日経デジタルマーケティングは、『最新 マーケティングの教科書2016』(ムック)を11月28日に発売した。このコラムでは、その中からデジタルマーケティングの先進事例やキーワード解説を紹介する。
トヨタ自動車がデジタルマーケティングの推進に本腰を入れ始めた。トヨタモーターセールス&マーケティングを本社に統合するなど組織を大きく再編。予算も増額し、独自DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)の開発も進めている。

 トヨタ自動車は2015年7月1日付でグローバル市場向けのマーケティングを統括している戦略子会社をトヨタ本体に統合し、組織面の強化を図った。さらに2015年度に国内市場に投じるデジタル関連予算を、前年度に比べて2倍以上に増額。ネット広告や動画広告といった施策に投じる予算を増やし、マーケティングのデジタル化を一気に加速する。

レスポンシブWebデザインやレコメンデーションを実装し、改善した「toyota.co.jp」。上はパソコン向け

 広告予算の増額以外にも、トヨタ独自のDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)を自社開発する。企業サイト「toyota.co.jp」などの来訪者の閲覧データ、属性データを子細に分析。クルマへの興味関心を高めたり、購買へとつなげたりする施策の効果測定などを実施し、ターゲティングやコンテンツのレコメンデーションの精度を高めることなどを狙う。トヨタはこのDMPを2015年中にも一部稼働させたい意向で、開発作業を急ピッチで進めている。

他社より遅れているという焦り

 2015年5月8日にトヨタは、営業利益が前期比20%増の2兆7505億円と、過去最高を更新した2015年3月期決算を発表した。このニュースに触れた人の多くは、「やはりトヨタは強い」という印象を受けたのではないか。実際、自動車販売の主戦場である北米市場などでトヨタ車の販売台数は拡大し、得意とする原価低減も効果を上げている。

 だがそんなトヨタが、デジタルマーケティングの推進を決意した背景には、マーケティングの現場で働く社員らが感じていた、ある弱さがあった。それは競合他社に比べてデジタルマーケティングの実践で、後れを取っているのではないかという焦燥だ。

 トヨタの技術力と販売力は、自他共に認めるところ。そのトヨタが課題を感じていた領域がマーケティング、わけてもデジタル活用の遅れだった。だからこそトヨタは2015年、デジタルマーケティングにかつてないほどの力を注ごうとしている。

リニューアルした「toyota.co.jp」の、スマートフォン向けの画面

 トヨタがデジタルマーケティングを重視する姿勢を鮮明にしたのは、2014年夏のことだ。代表取締役副社長である前川眞基氏が主宰した、国内の営業関係の幹部らが集まる会議の場で、販売会社などを含めたオールトヨタで、マーケティングのさらなる強化と、デジタル活用を推進していくことが決まった。

 この方向で実施したのが、グローバル市場向けのマーケティングを主幹している子会社トヨタモーターセールス&マーケティング(TMSM)を、7月をもってトヨタ本社に統合するという組織改革だった。TMSMの社員は、先行して本社に設けたマーケティング部というグローバルマーケティングの統括部署に配属となる。

 クルマのモノづくりと、そのクルマをどう消費者に訴求して、興味関心を高め、購買へとつなげていくかというマーケティング。この改革で2つの業務間の壁を低くする。そしてデジタルマーケティングのような新しい知見や独特のスキルが必要な施策でも、迅速に企画・実行できる体制へと変えることを狙う。

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「トヨタ、デジタル予算倍増しDMPも独自開発へ」の著者

安倍 俊廣

安倍 俊廣(あべ・としひろ)

日経デジタルマーケティング編集長

1990年東京工業大学卒、同年日経BP入社。「日経コンピュータ」「日経情報ストラテジー」「日経ビジネス」で記者。「日経ビジネスアソシエ」副編集長、「日経デジタルマーケティング」副編集長などを経て、2015年7月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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