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トヨタの種類株式と「重要なパートナー」の確保

中長期保有志向の株主はどうすれば増やせるか

2016年3月24日(木)

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 安倍政権によるコーポレートガバナンス改革では「中長期」が重要なキーワードである。

 たとえば、コーポレートガバナンス・コードは、株主との「建設的な対話」を通じて上場会社が「持続的な成長と中長期的な企業価値の向上」を実現することを目的としている。

 このように、近年のコーポレートガバナンス改革で、中長期的な企業価値の向上が重視されている背景には、投資家と企業のショートターミズムへの警戒がある。上場していることで投資家などから受ける過度な重圧から逃れる有効な選択肢の1つは、株式非公開化(MBO)である。しかし、上場を維持することには、社会の公器としての立場を明確化できる、あるいは株主の経営参画により多角的かつ規律ある経営を実現できるというメリットがあることも指摘されている。

 ショートターミズムへと陥らないために、企業にとって「重要なパートナー」となりうるのは、中長期保有志向の株主である。

 一方で、コーポレートガバナンス・コードが政策保有株式の保有方針の開示等を求めたことなどから、安定株主の確保という側面のあった株式持ち合いは解消へと向かっている(「激変する『株式持ち合い』『内部昇進者中心の取締役会』」参照)。

 では、今後、企業は、どのようにして「重要なパートナー」としての中長期保有志向の株主を増やしていくべきであろうか。

 その1つの可能性を示したのが、トヨタが2015年7月に発行したAA型種類株式であろう。

 トヨタは、同株式の発行について、「中長期での成長を目指すトヨタの経営の意思」を示したものであり、また、中長期保有志向の株主を「会社にとって重要なパートナーとなり得る存在」とするコーポレートガバナンス・コードの主旨にも沿うと説明している。

 今回は、コーポレートガバナンス・コードの時代に、各企業がその「重要なパートナー」である中長期保有志向の株主を確保していくための方策について、重要な示唆を与えたトヨタのAA型種類株式を中心に述べることとしたい。

中長期的視点が重視される背景

 安倍政権によるコーポレートガバナンス改革においては、「中長期的な成長」、「中長期的な企業価値の向上」などと、「中長期的」視点が重視されてきた。

 その背景には、投資家と企業のショートターミズムの抑制への国際的な関心がある。ショートターミズムとは、一般には、企業や投資家が、長期的な成功や安定を犠牲にして短期的な利益を追求する行動をとることをいう。

 世界の主要な株式市場における平均株式保有年数は短期化する傾向にあり、特に、日米英の株式保有期間は過去数十年間にわたり劇的に短縮化したといわれている(伊藤レポート70ページおよび71ページ)。例えば、ショートターミズムの投資家は、典型的には膨大なデータに基づく短期売買プログラムを用いて、過度に短期的な業績数値や、企業価値に関係のない株価の動き・方向感などにのみ着目して取引を行っている。

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