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ROEとコーポレートガバナンス

「ROE信仰」の弊害と「真・日本型会社システム」

2016年4月22日(金)

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 ROEが注目を浴びている。Return On Equity、すなわち自己資本利益率を投資の尺度とすべきであるという動きである。

 外国人投資家が増加するのに伴ってROEが意識され始めていたものの、その注目度が最近になってますます加速しているのだ。

 伊藤レポートの影響が大きい。2014年8月に発表された経産省による報告書である。8%を最低限の目標値としたことが、低いROEを継続してきた日本企業に大きな刺激を与えたのである。

 この伊藤レポートのための「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクトは、公表の1年前、2013年7月に発足している。6月の安倍内閣による「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」の発表直後から経済産業省が作業を始めていた事実が注目される。金融庁による「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」の発足とほぼ同時期である。「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」の始まった2014年8月からすれば約1年前のことになる。伊藤レポートが、スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードとともに、攻めのコーポレートガバナンスを後押しするものとして注目されるゆえんである。時系列で一覧すると、以下のとおりとなる。

2013年6月 日本再興戦略
-JAPAN is BACK-
収益面での評価が高い銘柄のインデックスの設定の働きかけ
2014年1月 JPX日経インデックス400 3年平均ROEが選定指標の一つ
2014年2月 日本版スチュワードシップ・コード 機関投資家が投資先企業の資本効率を高めることなどを目的とした対話を投資先企業との間で行うことを要求(指針4-1)
2014年6月 「日本再興戦略」改訂2014
-未来への挑戦-
「グローバル水準のROEの達成」に言及
2014年8月 伊藤レポート 「最低限8%を上回るROEを達成することに各企業はコミットすべき」
2015年6月 コーポレートガバナンス・コード 資本政策の基本的な方針の説明、収益力・資本効率等に関する目標の提示などを要求

 初めに、2013年の「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」があった。そのなかにおいて、収益面での評価が高い銘柄のインデックスの設定を働きかけたことが直ちにJPX日経インデックス400に結実している。

 次いで、2014年の「『日本再興戦略』 改訂2014-未来への挑戦-」のなかにおいて、その狙いとする企業の「稼ぐ力」の向上の1つの目安として「グローバル水準のROEの達成」を掲げている。その2カ月後に出たのが伊藤レポートという順序なのである。

 実際に、経営目標としてROEを重視する企業は、2012年度には51.0%にとどまっていたが、2015年度には63.6%にまで増加している(2012年度および2015年度の生命保険協会の調査結果)。

 さらに2015年に策定されたコーポレートガバナンス・コードへの対応として、多くの企業がROEを重視する姿勢を見せている。上場企業の41.0%がROEの目標値を開示しているのだ(2015年度の生命保険協会の調査結果)。中には16%以上のROEを目指すと公表する企業もある。これが伊藤レポートの「最低限8%」を大きく上回った数字であることは言うまでもない。

 しかし、ROEに対しては警戒を呼びかける意見もある。過度にROEを重視することに対して、その弊害が指摘されてもいるのだ。ショートターミズムへの傾斜を恐れているからである。そもそもアベノミクスが目指している中長期的な企業価値の向上が果たせなくなる結果になってしまうというのだ。

 そこで、今回はROEを巡る最新動向を概観した上で、「ROE信仰」の弊害について考えてみたい。

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