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取締役会の機能を向上させる具体的な方策

取締役会の実効性評価とは

2016年5月25日(水)

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 コーポレートガバナンス・コードは日本の上場企業に決定的な影響を与えつつある。例えばセブン&アイ・ホールディングスである。真相が何であれ、社外取締役抜きに今回の事態が生じていなかったことは確かである。

 そのコーポレートガバナンス・コードの原則のうちで、コンプライ率、すなわち実施率が一番低いのが取締役会の実効性評価(以下「取締役会評価」という)であり、35.9%である(2016年3月末時点)。その他の実施率については、以下の表(2016年4月26日付け東京証券取引所「企業と機関投資家の間の建設的な対話関連 資料」15ページおよび16ページを基に作成)のとおりである。

【上場会社(東証1部・2部)のコードへの対応状況】
対応状況 原則の数
全社が"実施" 5原則
一部の会社が"説明" 実施率90%以上 54原則
実施率90%未満 14原則
【実施率が低い原則(低い順)】
原則 内容 実施率
補充原則4-11③ 取締役会評価の実施・結果概要の開示 35.9%
補充原則1-2④ 議決権の電子行使のための環境整備等 42.9%
原則4-8 独立社外取締役の2名以上選任 58.9%

 取締役会評価は、米国、英国およびフランスなどの海外では一般的に行われているが、日本ではなじみがなかった制度である。

 であればこその最低の実施率なのであろう。一般に参照されている海外における取締役会評価のコンプライ率に関する調査は対象会社の数が桁違いに少ないという事実があるにしても、取締役会評価を実施し始めた日本企業ではその趣旨が十分に理解されていないことが原因となっているように思われる。実際に、自社の取締役会評価に際しより高いスコアを示すことが重要であるといった誤解も生じているようである。

 取締役会評価の目的は、高いスコアという結果を示すことではない。課題の把握、その課題に対するアクションの決定・実行、アクションの結果の検証などといったプロセスを毎年繰り返してPDCAサイクルを実現し、取締役会の機能の向上を絶えず図っていくことが求められているのである。あえて言えば、日本企業がこれまで取締役会評価になじみがなく、コーポレートガバナンス・コード施行後の実施率も低いのは、日本企業の取締役会の多くが、経営上の意思決定を行うマネジメント型であり経営の監督に特化したモニタリング型ではないという事実と関係しているように思われる。どう対応すべきか戸惑っているといったところではなかろうか。

 もともとコーポレートガバナンス・コードは、取締役会に、独立した客観的な立場から取締役を監督することを求めている(基本原則4)。これはモニタリング型の取締役会であるか否かを問わない。マネジメント型の取締役会においても取締役会の監督機能は重要なのである。したがってマネジメント型の取締役会に自己評価が不要ということにはなるはずもない。どちらの型であるにせよ、取締役会の機能の向上を絶えず図っていくことが重要なのは変わらないのである。目指すゴールがそれぞれの型によって違い、それに応じて取締役会の自己評価の中身が異なってくるだけなのである。

 コーポレートガバナンス・コード策定を契機に取締役会評価が普及し、多くの会社がこのような取締役会評価を実質的かつ継続的に行うようになれば、かならずや取締役会は、独立した客観的な立場から取締役を監督するように進歩し、日本におけるコーポレートガバナンス改革の柱の一つとなる可能性を秘めているのである。

 そこで今回は、取締役会評価の具体的内容や、さらにその内容を向上させるための方策について解説する。

取締役会評価の導入

 取締役会評価の実施・結果概要の開示については、2015年6月に施行されたコーポレートガバナンス・コードに定められている。

 まず、原則4-11は、「取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件」として、「取締役会は、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を行うことなどにより、その機能の向上を図るべきである」と規定している。

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