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「株主との対話」の場へと変わり始めた株主総会

2016年6月23日(木)

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 今年も株主総会シーズンがやってきた。今年の集中日は6月29日(水)だ。
 しかし、こんな話題も今年限りかもしれない。今年の集中率は32%である。ピークだった1995年の96%に比べれば64%、昨年の42%からは10%の減少である。もう株主総会を集中させる理由はなく、させない理由はたくさんある。時代は変わったのである。

 今年はコーポレートガバナンス・コード(以下「ガバナンス・コード」という)適用2年目の年である。また、多くの上場会社にとって、2015年6月1日に策定のガバナンス・コードに対応したコーポレートガバナンスに関する報告書(以下「ガバナンス報告書」という)を提出してから初めての株主総会となる。

 ガバナンス・コードは、上場会社に「株主との対話」を求めている(原則5-1等)。

 株主総会とは「株主との対話」の要石(キーストーン)である。前後に対話が積み重なることが予定されていればこそ、キーストーンの存在意義がある。株主総会の場は、コーポレートガバナンスの向上や持続的成長に向けた有益な機会の中心として捉えるべきなのである。株主総会の場での株主とのやりとりのみが重要なのではない。株主総会があり、そこが自由闊達な議論の場であることが保証され、その場での自由な議決権の行使によって会社にとって重要な決定がなされる。その前後を通じて株主との対話を励行しない会社は、株主総会で株主から支持されない。株主総会をキーストーンと呼ぶゆえんである。

 本連載第6回(「ガバナンス・コードで株主総会が変わる」)を公表したのは、ガバナンス・コードの適用が開始された2015年6月であった。そこでは株主総会に関連する各原則の基本的な内容の解説およびガバナンス・コードが株主総会へ及ぼしうる影響について述べた。今回は、株主総会の変化の歴史について述べた上で、2015年のガバナンス・コードの下での初の株主総会を検証するとともに、今年の株主総会において検討すべきポイントを解説する。

2004年ころまでの「閉ざされた」株主総会

 過去の株主総会は大きく変わって現在に到る。転換点は2004年ころである。

 かつての株主総会の特徴は、「総会屋の跋扈」、「堅固な株式持合い」、そして「物言わぬ機関投資家」のトライアングルであった。その時代にはいかに株主総会を「平穏に」終えるかがテーマであった。

 会社の対応は、例えば社員株主を最前列に座らせて議長の発言を大声で援護したり、株主から質問がでたりした場合には、説明を行わなくてよい場合(説明義務の除外事由)に該当するかどうかを先ず検討し、除外事由に該当しないときにのみやむを得ず最小限の回答をするというものであった。

 また、総会屋の発言の機会を減らすことを目的として、いわゆる一括上程方式が考案された。先人の努力の結晶である。すなわち、それまで個別の議案ごとに審議・採決を行い、それが終わってから初めて次の議案に進んでいたのを廃し、全ての議案を一括して上程して一括審議し、採決に入った後は一切の発言・質問を受け付けず採決のみを行うというやり方が導入されたのである。

総会屋の激減による一般株主の発言の増加

 その後、1996年から2004年ころの警察による利益供与罪の摘発により、総会屋は激減した。また、株主総会が「閉ざされた」ものとなってしまっていたことなどへの反省のもと、2004年に「経団連企業行動憲章」が改訂された。「社内外の声を常時把握し、実効ある社内体制の整備を行うとともに、企業倫理の徹底を図る」ことが目指されることとなったのである。

 これ以降、株主総会の状況は大きく変化することとなった。社員株主が議席の前方を独占して「異議なし!」「進行!」と大声を張り上げて大きな拍手をしたりすることがなくなり、質疑のために十分な時間を設ける株主総会が増え、一般株主の発言も増加していったのである。

 もっとも、多くの会社は、事前に準備したシナリオに忠実な総会運営を行っていたから、株主からの質問に対する回答姿勢には大きな変化はみられなかったのである。

「株主との対話」を求めるガバナンス・コード時代の株主総会

 2015年6月に策定されたガバナンス・コードは、上場会社に「株主との対話」を求めている。株主総会の場も株主との対話の場の一つとして、株主と経営陣が直接対話をする機会と捉えられ株主総会の運営に大きな影響を及ぼし始めたのである。

 ガバナンス・コードは、スチュワードシップ・コードと合わせて「車の両輪」(資料編・序文8項)をなすといわれる。どちらも上場会社に株主との対話を促しているのだ(ガバナンス・コード基本原則5・考え方、スチュワードシップ・コード原則4)。会社が中長期的経営を行うための「重要なパートナー」が中長期保有志向の株主だからである。そうした株主との対話が、実効的なコーポレートガバナンスの実現に資すると2つのコードのいずれにおいても考えられているからである(資料編・序文8項)。

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