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変わる敵対的買収をめぐる攻防

防衛策の具体的ヒントはトヨタにあり

2015年11月27日(金)

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 敵対的買収という言葉をニュースで耳にしなくなってから久しい。

 かつてはほぼ毎日のように敵対的買収に関するニュースが報じられていた。特に、ライブドアがニッポン放送に対して敵対的買収を仕掛けた2005年以降、リーマン・ショックが起こり、その結果海外ファンドが日本から撤退した2008年までの間のことである。その頃、私自身も弁護士として複数の敵対的買収案件に関与してきたことから、特に印象に残っているのかもしれない。

 かつては盛んであったかのように思われている敵対的買収であるが、実は、世間を騒がせていた割に、最終的に成立した数は多くはない。M&A情報・データサイトのMARR Onlineによれば、買収側によるTOBが公告された時点で、買収の対象となっていた会社が買収に反対の意向を表明していた事例は全部で20件存在するが、そのうち、買収対象会社が買収成立まで反対の意向を維持していた事例は、わずか2件にとどまるという。さらに、これらの20件のうち、上場企業同士の案件は1件に過ぎず、しかも、この事例では、買収対象会社は、最終的に買収に賛成の意見を表明した。(注)

 しかし、今や、私には敵対的買収をめぐる状況が大きく変わりつつあるように思われるのである。なぜか。もちろん日本企業のガバナンスが変わり始めているからだ。

 ここで大胆な予測をするならば、敵対的買収は間違いなく増加する。

 増加する敵対的買収に対して、企業はどう向き合っていけばよいか。今回は、敵対的買収をめぐる動向と今後の展望を紹介したい。

株主の圧力で買収防衛策が減少

 私が、今後敵対的買収が増加すると予想した主な理由は、既に述べたとおり、日本企業のガバナンスが変わりつつあることにある。具体的に述べると、企業に対する株主の圧力が増しつつあるということである。今や、多くの投資家にとって、買収防衛策は経営者の保身のための道具と考えられている。

 株主による圧力が強くなっている背景には、大きく分けて2つの要因がある。1つは、外国人投資家の増加、もう1つは持ち合い株式の減少である。

 外国人投資家比率の上昇に関していえば、2000年代後半に約25%で推移していた外国人投資家比率は、今や30%を超えている。外国人投資家は、日本国内の投資家と比較して、経営者が買収防衛策を保身の道具として用いることへの警戒心が強い。

 このような外国人投資家比率の上昇に伴って、買収防衛策に対する見方が厳しいものになりつつあるのである。

 株式持ち合いの減少も顕著である。市場全体の時価総額に占める持ち合い株式の時価総額の比率である株式持ち合い比率は、5割を超えていたバブル期以降減少を続け、2014年には2割を下回った。後述するコーポレートガバナンス・コードにおいても、持ち合い株式を含む政策保有株式の減少が求められている。

 2014年度には、主要企業の6割が持ち合い株式の保有銘柄数を減らしたという。さらに、3メガバンクでは、今後3~5年間で、取引先企業との間での持ち合い株式などの長期保有株式を少なくとも3割程度売却する方針である。

 持ち合いなどによる安定的な株主が減少すれば、それだけ買収防衛策に対する見方も厳しくなるということである。

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