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内部通報制度はカイゼン活動

不祥事の発見に限らず積極利用せよ

2015年12月25日(金)

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 最近の企業不祥事をみると、内部通報制度が十分に機能していなかったことが指摘されることが多い。東芝の不正会計問題でも、東洋ゴム工業が免震ゴムの性能データを改ざんしていた問題でも、内部通報制度があったのに利用されなかった。

 今や多くの企業で内部通報制度が置かれているが、内部通報制度が十分に機能するようになったとは言いがたい。

 社内で問題が起きた場合に、従業員が、内部通報制度を利用するのではなく、行政機関やマスコミなどへ「内部告発」した場合には、会社の評判が大きく低下する事態を招くおそれが高い。

 そのため、企業にとっては、内部通報制度を機能させ、行政やマスコミなどへの「内部告発」を防ぐことが、リスク管理として極めて重要なものとなっている。

 最近では、内部通報の窓口担当者が、通報者から「対応が不適切だった」として訴えられる事例も出てきた(結論としては通報者の請求は棄却された)。だが、問題はそんなことではない。会社の不祥事を未然に防ぐことができるかどうかの大問題なのである。窓口担当者に任せていいことではない。自分の首が飛ぶかもしれないトップの重要課題と心すべきである。

 今回は、コーポレートガバナンス・コードでの言及を含め、内部通報に関する最新の議論や事例を紹介する。その上で、内部通報制度を有効に機能させるための工夫とともに、これを会社のカイゼン活動としても積極的に用いるために必要なトップの心構えについても述べたい。

「内部通報」を機能させて「内部告発」を防ぐ

 内部通報制度は、「ヘルプライン」「ホットライン」「コンプライアンス相談窓口」などと、会社ごとに様々な名称で呼ばれている。一般には、企業において、法令違反・不正な行為が発生し、またはその恐れがある場合に、従業員の通報を受け付け、その通報に適切に対応する仕組みのことを内部通報制度という。もちろん、通常の業務ラインの外側にあるものである。

 内部通報に関する法律としては公益通報者保護法がある。同法は、従業員が、勤務先の不正行為(通報対象事実)を、正当な目的で、定められた通報先などに通報する場合に、会社が通報者にした解雇を無効にし、その他の不利益な取り扱いをすることも禁止している。

 内部通報と言葉は似ているが、大きく異なるのが「内部告発」である。従業員が、勤務先が指定している社内外の窓口に通報する(内部通報)のではなく、行政機関やマスコミなどに通報することである。内部告発をされてしまうと取り返しがつかない。もはや会社の支配は全く及ばない。ここが内部通報との決定的な違いである。

 「内部告発」も、公益通報者保護法において、一定の要件の下で保護されている。「内部告発」がされてしまうと、特にマスコミに告発がされた場合には、会社はすぐさま問題に対処したことを対外的に公表しなければならない。社会からは、自ら問題を解決できなかった組織と評価を受けてしまい、会社の評判が大きく低下することにもつながる。

 そのため、企業においては、従業員が社内で問題を発見した時に、マスコミなどへの「内部告発」ではなく、内部通報を行うことを選択するような、信頼できる内部通報制度を作っておく価値が大いにある。内部通報制度は、会社のリスク管理体制の一部として極めて重要なのである。

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