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国税局から「弟さんの税金を払いなさい」という通知が…

「連帯納付義務」の恐怖

2015年6月18日(木)

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 ある顧客から「弟が、15年以上前の母の相続の時の税金を払っていなかったようで、私に払うようにと国税局から通知が来ているんです……」という相談を受け、耳を疑いました。

 「税務署でなく国税局ですか? あなたの分でなく弟さんの分ですか?」
 「ええ……」

 通知書の内容は、「あなた以外のほかの相続人も含めて連帯納付の義務があるので、みんなで話し合って払ってください。さもないと、どなたかの財産を差し押さえることになります」というものでした。金額が多額なので、税務署から国税局へ担当が移管していたようです。

 日本の税金で連帯納付義務があるのは、相続税と贈与税です(法人税にも一定の要件条件のもとではありますが、間接的な連帯納付義務です)。相続税に関しては相続人同士でお互いに連帯して納付義務を負い、贈与税に関しては贈与者(あげた側)が受贈者(もらった側)に対して連帯納付義務を負っています。税務はあげる側ともらう側を一体と考え、どちらかが払えないなら、もう片方が責任を負いなさいというスタンスです。

 この制度については廃止の声が上がってからしばらく経ちますが、いまだに残っています。現在の相続税の課税体系は、財産全体に対して全員で一緒に申告する方法(遺産課税方式)になっていますが、もらった人がもらった分に対して、それぞれが別々に申告する方法(遺産取得課税方式)に変更されない限り、連帯納付義務の廃止は難しいといわれています。

 前回、相続対策の基本は(1)円滑な分割対策、(2)納税資金対策、(3)節税対策円滑の3つだと説明しました。納税資金が不足して相続税が払えないと、差し押さえや売却により、代々の財産を手放さなければならないことにもなりますし、ほかの相続人に迷惑をかけることになります。今回は納税資金対策について考えてみます。

納税の時効はないのか?

 日本のほとんどの税金は、5年で時効を迎えます(贈与税は相続税法で特別に6年と定めています)。脱税など悪質な場合は7年となりますが、一般債権と同様に、途中で督促状を送れば時効は中断され、新たに年数をカウントすることになります。

 冒頭のケースでは15年前の相続のことですので、通常は時効が成立しているのですが、督促状による時効の中断ではなく「物納申請」による時効の中断だったのです。

 物納とは、税金をお金で払えない場合、相続で取得した不動産や有価証券で納税する方法です。物納申請中は徴収の猶予扱いとなって時効は停止しているので、15年以上経過しても国税徴収権が消滅しなかったのです。

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「国税局から「弟さんの税金を払いなさい」という通知が…」の著者

内藤 克

内藤 克(ないとう・かつみ)

税理士

1962年生まれ。1985年中央大学商学部卒業(経営分析論)、1990年税理士登録。1995年税理士事務所開業、2010年税理士法人アーク&パートナーズ設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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