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「法人成り」しておけばこんなことにならなかったのに…

スモールビジネスで発生する相続トラブル

2015年8月20日(木)

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 「うちの母親のパート先で相続の問題が起きて大変らしいのです。金融機関が口座をストップしてしまい、すべての取り引きができなくなったらしくて……。パート先はどうなってしまうのでしょうか?」という相談をお客様から受けました。その方のお母さんの勤務先は、個人経営の飲食店でした。

 相続が発生すると、銀行預金の引き出しや借入金の返済は一時的にできなくなります。民法上はこれらの財産は相続開始と同時に、相続人へ法定相続されることになっていますが、実務上は金融機関が口座を凍結してしまうので、分割協議が整うまでは、預金の引き出しや引き落としができないのです。

 これは個人事業の場合でも同じことです。飲食店に限らず、お医者さんでも弁護士さんでも、個人事業主であれば、その個人の財産はすべて相続の対象となってしまうので、銀行と深い付き合いがある場合を除き、相続人の間での遺産分割協議が整うまでは財産の名義変更すらできません。

 今回は個人事業の相続について考えてみましょう。

事業をストップしないためには会社にしておくべき

 医師や弁護士のように国家試験に合格しなければならない仕事については、相続人も国家資格に合格していないと事業の承継はできません。たとえ医療法人や弁護士法人を設立しても、相続人が医師や弁護士の資格を持っていなければ事業を引き継ぐことはできません。

 こういった個人の資格で行う事業以外は、法人格を取得していれば相続が開始してもスムーズに引き継ぐことができます。冒頭のような個人経営の飲食店の場合は、保健所や消防署関係の変更手続きはあるとはいえ、会社組織にしておけばスムーズに事業を承継できたはずです。

 個人事業主に相続が発生した場合、銀行口座だけでなく、民法上引き継ぐことになっている借入金、リース契約、賃貸契約、雇用契約、商取引上の各種契約は、実務上はすべてやり直しになります。免許や認可が必要な事業であれば、すべて取り直さなければなりません。

 私は「事業をスタートしたいのですが……」と相談に来られた方には、最初から会社を設立することをお勧めしていますが、面倒くさいことが嫌いという方と、1人(人を雇わない)でスタートする方には、会社の設立は無理には勧めません。税務上のメリットを聞くと、会社の設立に乗り気になる方は多いのですが、社会保険関係の手続きの話をすると「とりあえず個人で」という方も多くいます。

 会社を設立すると、会社として社会保険に加入しなくてはなりませんが、個人事業であれば従業員5人を超えなければ加入義務はありません。最初から社員を採用しないのであれば「社保完備」の必要はありませんので、自分で国民健康保険に入ればいいだけです。

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「「法人成り」しておけばこんなことにならなかったのに…」の著者

内藤 克

内藤 克(ないとう・かつみ)

税理士

1962年生まれ。1985年中央大学商学部卒業(経営分析論)、1990年税理士登録。1995年税理士事務所開業、2010年税理士法人アーク&パートナーズ設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官