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交通事故で家族が亡くなった場合の相続はどうなる?

「損害賠償請求権」の相続とは

2015年9月3日(木)

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 交通事故で兄を亡くしたというBさんのお話です。

 亡くなったお兄さんAさんは、事故当時70歳で、自営業を営んでいたということでした。BさんとAさんは昔から大変仲が良く、老後はお互いに子供がなかったこともあって、頻繁に会っていました。

 Bさんとしては、Aさんの突然の事故死に驚き、その悲しみは深かったものの、相続は自分には関係ないだろうと思っていました。

 しかし、Aさんには奥さんがいるものの、子供がいなかったため(親御さんは両方ともすでに亡くなっている)、弟であるBさんも相続人となると、相続に関して連絡がきたとのことでした。

 Aさん、Bさんには、さらに弟のCさん、妹のD子さん、弟のEさんがいました。他の兄弟姉妹は、それほど不仲ではなかったものの、住んでいたところが互いに離れていたため、疎遠になっていました。

 さらに、CさんとEさんはすでに亡くなっていて、Cさんには息子が3人(Fさん、Gさん、Hさん)、Eさんにも息子が2人(Iさん、Jさん)と娘が1人(K子さん)いるとのことでした。特にIさんとK子さんは、2人とも海外在住で、連絡をとることが難しい状態とのことでした。

交通事故で損害賠償請求できる項目

 Aさんが交通事故で亡くなった場合、加害者に対して民法の不法行為の損害賠償請求ができます(民法第709条)。損害にはいろいろな項目がありますが、本件のような死亡事故の場合に一番大きい項目は死亡慰謝料です。これは死亡したことに対する慰謝料ということです。

 本人は死んでしまってこの世に存在していないのだから、慰謝料は発生しないとも思えますが、死亡はいわば傷害の極限状態であるので、認められるとされています。亡くなった人が一家の大黒柱であったかどうかなどのさまざまな事情により異なりますが、おおむね2000万円から2800万円程度が認められます。

 さらに、死亡逸失利益等が認められます。なんだか難しい言葉が出てきましたが、これはその死亡事故がなければ、被害者が得る予定であった経済的利益のことです。

 この死亡逸失利益を算出する場合に、前提となる、働くことが可能な年齢(就労可能年数といいます)は67歳までとなっていますが、本件のような高齢者の事故の場合は、それにしたがって計算をすると逸失利益はなかったとなってしまうので、簡易生命表の余命年数の2分の1を就労可能年数とすることができます(70歳の場合は余命年数は15.08年とされています)。

相続人は誰?

 さて本件では誰が相続人になるでしょうか。Aさんの配偶者(奥さん)が相続人になることは問題がないですが、Aさんには子供がいませんでした。

 一般的に相続は、水のように下に落ちていきます。ただ、子供がいない場合には、下に落ちようがないので、上に流れます。すなわち親が対象になります。ただ、Aさんの親御さんはすでに亡くなっていたので上に行くこともできません。このため、相続は横に流れ、兄弟姉妹であるBさん、Cさん、D子さん、Eさんが、相続人になります。

 しかし、CさんとEさんはすでに亡くなっています。このように相続をする予定だった人が亡くなっている場合はどうなるでしょうか。

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 相続で一番揉めるのは、「普通の」サラリーマン世帯と言われます。

 この機会にぜひ、お読みください。

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「交通事故で家族が亡くなった場合の相続はどうなる?」の著者

西原 正騎

西原 正騎(にしはら・まさき)

弁護士

インテグラル法律事務所パートナー弁護士。中央大学法学部、立教大学法科大学院卒。東京弁護士会所属、NPO法人遺言相続リーガルネットワーク所属。日本弁護士連合会若手法曹センター事務局幹事。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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