• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

モメる「二次相続」、増える「おひとり様相続」

お父さんの相続財産は「とりあえずお母さんへ」で大丈夫?

2015年8月28日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 昨年の春、いとこから「たいした財産ではないけれど、父の相続の手続きをお願い!」と頼まれました。名義変更をお願いという意味だったのでしょうが、税理士としてはまず「そもそも税金がかからないか」そして「どう分割するか」が必要である旨を説明し、資料を集めるよう指示しました。

 主な財産は自宅と預金。評価をしたら相続税は基礎控除以内であったため、希望通り、配偶者である叔母に財産を引き継がせることになりました。

シッカリものの妻の相続は大変

 しかし、どうしても気になることがあったので叔母に確認しました。「叔父さんの預金の残高が極端に少ない気がするんだけど……」。叔母と別居していた叔父はお金の管理が苦手だったので、預金はほとんど叔母名義に変更されていたのです。つまり妻に取り上げられていたというわけです。

 この場合、叔母名義の預金でも名義預金として叔父の相続財産に加えなければならない場合もありますが、相続人である子供が3人おり、余裕で基礎控除の範囲内でしたので、とくに問題視しませんでした。

 私が心配したのは、叔母に相続が発生したとき(二次相続)のことでした。叔母は定年まで小学校の教師を勤め上げたため、退職金もタップリ受け取り、その後もかなりの額の共済年金を受け取っていました。叔父も公立中学の教師を定年まで勤め上げたため同様の退職金を受け取ってはいましたが、生活費のほとんどと、娘3人の教育費用は叔父の預金から支出されており、叔母の財産はそのまま残っていたのです。このままでは叔母の相続、つまり二次相続が大変なことになるのです。

「先のことは考えなくていいから……」

 叔母の預金は共働き時代に残高が増えていたばかりでなく、株式投資やマンション投資の利益もあったため、財産がどんどん増えていました。それに叔父の名義預金がプラスされるので、二次相続の税金はかなりの額になる計算です。

 二次相続では娘3人が相続するのですが、「これを機会に自分の相続のことも考えたらどうか」「今回の相続は娘3人名義にしたらどうか」としつこく提案してシミュレーションも見せました。

 叔母の娘は3人とも家族がいて、住宅ローンやら教育費やらを抱えているうえに、それぞれの夫の年収もかなりの差がありますので「きちんと対策しないと大変だよ」と、何度も念を押しました。

 しかし娘3人は「今考えなくていいんじゃない?」と言い、叔母も「モメるなら私があの世に逝ってからにしてちょうだい。気が向いたら遺言を書くから」と言い出し、結局、当初の通り、叔父の財産はすべて配偶者である叔母に相続させることになりました。親戚といえどもそれ以上は口出しできず、相続税対策上、不利になることだけ伝えて手続きは完了しました。

夫婦の財産バランスを考える

 一次相続で父親の相続が開始した場合、とりあえずは配偶者である母に相続させるというケースをよく見かけます。税金対策上これが有利なのか、次のケースに基づきに二次相続の試算をしてみました。夫の相続の後、すぐに妻が亡くなったとして(相次相続控除なし)で次ページで3パターンについて比較してみます。

当コラムの著者3人が執筆した相続ムック発売!

 相続と贈与にまつわる勘違いや間違いについて詳しく解説し、本当に賢い相続&贈与を行うために必読のムック『間違いだらけの相続&贈与』が発売になりました。

 巻頭では「知らないと怖い相続の話」を執筆している内藤克氏、長家広明氏、西原正騎氏の3人による、現場で感じる“本音の”座談会を収録。巻末には、実際に使える「超簡単エンディングノート」も付けました。

 相続で一番揉めるのは、「普通の」サラリーマン世帯と言われます。

 この機会にぜひ、お読みください。

コメント0

「腕利き税理士&弁護士コンビの知らないと怖い相続の話」のバックナンバー

一覧

「モメる「二次相続」、増える「おひとり様相続」」の著者

内藤 克

内藤 克(ないとう・かつみ)

税理士

1962年生まれ。1985年中央大学商学部卒業(経営分析論)、1990年税理士登録。1995年税理士事務所開業、2010年税理士法人アーク&パートナーズ設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック