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「ご検討状況は?」がダメな理由

そこはヒーローインタビューのお立ち台ではない

2017年2月8日(水)

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「先日提案させていただいた件ですが、その後、ご検討状況はいかがでしょうか」

 つい1週間ほど前に提案プレゼンを受けた会社(A社)の営業マンからかかってきた電話に出ると、その営業マンは恐る恐る私に尋ねてきました。

 私は自分が経営している会社で某サービスの導入を検討しており、複数の会社から提案を受けていましたが、残り2社で迷っているところでした。私にとってA社は、その電話を受けた時点では「暫定2位」の位置になります。

 私は、若干の気まずさとともに、A社の営業マンに答えました。「そうですね。今、まさに社内で検討を進めているのですが、色々と考えることがあって、時間がかかってしまっています。すみませんが、もう少しお時間をいただけますか。こちらからご連絡しますので」。

 実は、A社の提案を受けた直後「この会社にお願いしようかな」と思っていたものの、A社のプレゼン後に提案を受けた会社(B社)の提案が良く、私の頭の中では「B社がいいかな…」と、若干ですがB社に傾いていたのです。

 しかし、B社の営業から受けた提案が100点満点かというとそうではなく、A社の提案にもまだ捨てがたい部分があったため、まだ最終決定はできない、という状況でした。「A社とB社どちらにしようか…」。そう悩んでいた私は、まだ考えがまとまりきっていないため、A社の営業マンからかかってきた電話を切った後、もう少し自分で考えてみようと思いました。

優劣はついているのに、同じせりふ

 その15分後、また私の携帯電話が鳴りました。「お世話になっております。B社の○△ですが…」。今度はB社の営業マンからの電話です。

 「先日提案させていただいた件ですが、その後、ご検討状況はいかがでしょうか」。奇しくも、A社の営業マンと同じせりふでした。

 この時点で、B社に発注することにしてA社を断ると決めるのも「アリ」かもしれませんが、まだ充分に自分の考えが整理できていません。私には考えをまとめる時間が必要でした。

 ちょうどそんなタイミングにかかってきた電話だったので、私は、少し困惑しながらB社の営業マンに答えました。「そうですね、今まさに社内で検討を進めているのですが、色々と考えることがあって、時間がかかってしまっています。すみませんが、もう少しお時間いただけますか。こちらからご連絡しますので」。

 私は、こう返して電話を終えた後、2社の営業からかかってきた電話のせりふも同じであり、そして、それぞれの営業担当に返したコメントも同じであることに気づきました。

 しかし、A社は暫定2位、B社は暫定1位です。購買側の私からすると、両社の順位は異なっています。

確かめるというアクションに踏み込んでいない

 いったい、どんなことが起こっているのでしょうか。整理して考えてみましょう。

 私は、A社とB社に対して、それぞれ異なる理由から「決断を保留」しています。A社に対しては、「断ろうかな…、でも、A社を断るとこの場で決めることはまだできないな」という心境です。

 一方で、B社に対しては「発注しようかな…、でも、B社に発注するとこの場で決めることはまだできないな」と感じています。

 さて、こういった私の心の内ですが、両社の営業からするとどのように映っているでしょうか。おそらく、「当社が優勢じゃないか」「当社は劣勢かもしれない」のような仮説はあるかもしれませんが、A社もB社も確信は持てていないはずです。

 なぜかと言うと、どちらの会社の営業マンも、「ご検討状況はいかがでしょうか」という緩い確認はしているものの、実際に私に対して確かめるというアクションに踏み込んできていないからです。

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「「ご検討状況は?」がダメな理由」の著者

高橋 浩一

高橋 浩一(たかはし・こういち)

TORiX代表取締役

東京大学経済学部卒。ジェミニコンサルティングで勤務した後、アルーを創業、取締役及び副社長として組織マネジメントに従事。2011年にTORiXを設立して代表取締役に就任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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