後輩は“カワイイ妹・弟”。かまってなんぼだ

待ちの姿勢では部下のホウ・レン・ソウは身につかない

ユニー・ファミマHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は入社2年目の25歳の女性から。新人の後輩が仕事も「ホウ・レン・ソウ」もできず、困っています。上田さんのアドバイスは「カワイイ妹・弟に接する姉の気持ちになれ」。

悩み:入社1年目の後輩があまりにも仕事ができず、「ホウ・レン・ソウ」もやらず、困っています。私も入社2年目なので新人の立場は理解できますが、どうしたら優しく見守ることができるでしょうか。

 入社1年目の後輩があまりにも仕事ができず、一緒に仕事をしていてイラついてしまいます。自分も去年同じ立場だったのは理解しているのですが、どうしたら優しく見守ることができるでしょうか。

 後輩は自分のタスク管理や「ホウ・レン・ソウ」ができておらず、そのしわ寄せが2年目の私に来ています。後輩のフォローをするのは当然のことだとは思っているのですが、本人に改善の意思が見られないので困っています。共同作業の期限なども守れないことが多く、事前にその報告もありません。こちらからも進捗の確認はこまめにするのですが、「大丈夫です」「終わらせます」としか言わず、手伝おうとしても「自分でやります」と断られてしまいます。

 2年目になって自分の仕事も増え、正直精一杯な部分もあるのですが、頼れる先輩社員がいないのでどうしたものかと頭を抱えています。(中途採用がほとんどの会社なので、新卒の先輩が身近におらず、誰に相談したらいいのかも分かりません。)この状況を乗り越えるために、何かいいアドバイスをいただけないでしょうか。

(25歳 女性 会社員)

大竹剛(日経ビジネス 編集):今回の相談は、よくある「ホウ・レン・ソウ」をちゃんとしない後輩に対する悩みです。特に今回は、入社1年目の後輩に、2年目の先輩がイライラしています。後輩があまりにも仕事ができず、一緒に仕事をして、頭にくると。ただし、この相談を寄せてくださっている方も2年目ということで、もう50年目に近い上田さんから見ると、そこはほとんど誤差の範囲のようにも見えるのではないでしょうか。

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。(写真:的野弘路)

上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):僕自身にとっては、もはや遠い昔の話だな。だけど、うちの子供たち3人が、会社勤めを始めたころのことを思い出すよ。3人が3人とも、入社2年目のお盆だとか正月だとかにうちに戻って来たときに、彼女と同じようなことを言っていましたよ。

 そういうとき、僕はいつも「1年過ぎて、お前はそういうことを言っているけど、お前も新入社員のときは、どうだったんだ? 仕事は分からない。上司に相談してもちゃんと教えてもらえない。何かあったら文句ばっかり言われる……。そんな愚痴をいろいろと言っていたじゃないか」と話していた。1年たって、ようやく業務を覚えてきて、自分のペースでやり始めたばかりなのに、入ってきたばかりの新入社員に対して自分のことを棚に上げて文句を言っている。それは自分のことを批判しているようなものだとね。

 こういった話はどこにでもある話なんだよ。こういう後輩に対しては、あきらめずに「ホウ・レン・ソウ」をしっかりやれと、しつこく、しつこく日々、言い続けるしかない。わかるよね? ホウ・レン・ソウは「報告・連絡・相談」のことだ。

 ただし、そのときにはっきり言わなきゃいけないのは、「あなたがホウ・レン・ソウをしっかりやらないと、私の仕事が目いっぱいなってしまう」ということだ。「君はまだ入社1年目だから、あなたをフォローするけれども、それはミスが起きれば私の責任として、私がやり直すということなんだ」とね。だから、そういう事態を避けるために、ホウ・レン・ソウはしっかりやってくれと。

 1年目は、まだいろいろな分からないことがあって、失敗をしてしまうのは仕方がない。だけど、ホウ・レン・ソウをしっかりとしていれば、失敗しても間違いを最小限に食い止めることができる。全くホウ・レン・ソウがなければ、ゼロからやり直しということだって起きかねない。そうなれば、倍の時間がかかってしまうことになる。

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著者プロフィール

上田 準二

上田 準二

ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役退任。趣味は麻雀、料理、釣り、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。

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いただいたコメントコメント1件

語呂がいいせいか、ホウレンソウ、ホウレンソウという人が多いのですが、新人はそもそも何を報告し、連絡し、相談するべきなのか分かっていないと思います。
私はまずとにかく報告をさせるようにしています。課題を与えて「終わりました」という報告ですね。その成果をチェックしてダメ出しをしていくと、「このことはあらかじめ話をしておかないとまたやり直しになるぞ」と用心するようになり、自然に連絡や相談に来るようになります。
途中の進捗状況も、ただ「どうなってる?」と言われたって「やっています」と言う以外ありません。遅れそうだ、あとどれくらいでできるというのは、ある程度場数を踏まなけれは見積もることはできないです。最初のうちはやはりやっている過程をじっと観察して、能率の悪いことをしていたり、決定的に間違っているところを見つけて説明してやる必要があります。そうしているとそのうちに期待するパフォーマンスを出すようになるものです。

とはいえ、言われたことしかできない、という人も一定の割合で必ずいます。ホウレンソウのうち、特にレンソウは、課題に対して何らかの関心がなければできません。そういう人は、ホウレンソウなどと繰り返したところで、できないものはできないです。早いうちにあきらめて、その人ができるような課題を出来るようにしてから渡すしかないです。

この相談は実在する相談だと思いますが、二年生に一年生をつけるというのは全体のパフォーマンスを下げるだけではないでしょうか。相談の中にあるように、自分のことが精いっぱいで新人の面倒など見られるはずがないです。
あるいはたんに新人と新人+αで二人で協力して課題をこなせというだけのことに対して気負いすぎているのではないでしょうか。(2018/02/14 07:08)

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