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交渉は相手に会う前から始まっている

2016年5月26日(木)

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 紛争地での仕事に交渉はつきものだ。交渉内容は、国家の和平プロセスに関わるものから、治安改善プロジェクトのための現地住民との合意形成、紛争被害者を保護するための対策など多岐にわたる。

 交渉相手によって必要な戦略も変わってくる。これまでに、以下に挙げる人たちと交渉してきた。
 ・武装勢力の司令官
 ・現地コミュニティの長老や住民
 ・現地の大統領や大臣、政府関係者
 ・外務省、国連機関やNGOの担当者
 ・他国の政府関係者や軍人

 ひとつの交渉が、ある社会の命運や個人の人生、自分や誰かの身の安全を左右することもある。残念ながら私には天性の交渉の才能があるわけではない。だが、「話すのは苦手です」では済まされない。望ましい形で目的を達成するために、懸命に対策を取ってきた。

相手に身内感覚を持たせる

 ただし、交渉といっても、相手と直接話している時にできることは意外と限られている。その前後に何をするかが重要だ。私が事前に行うことのひとつが、「相手に身構えさせない状況づくり」だ。

 別の言葉で言い換えると、「警戒させない」「わずらわしさを感じさせない」「違和感を与えない」となる。こうすることで、相手が身内感覚を持ちやすくなる。

 「身構えさせない」ためには参加者や話す内容に応じた場所を選定することが重要だ。対立する集団を調停する交渉では中立的な場所を選ぶ。交渉場所までの移動手段にも注意を払う。その利便性の差がわだかまりの原因となり、その後の話し合いに影響することもあるからだ。

 被害者から聞き取りをする場合は、恐怖を感じさせない、自然体になれる場所を選ぶ。

シエラレオネの現地住民との協議風景。現地では住民たちが普段使用する場所を話し合いの場に選ぶことが多い

 また、交渉相手が持つ文化を理解した挨拶や立ち振舞いをする。もちろん服装にも配慮する。相手に「冒涜されている」との印象を与えることがあるからだ。少しの違和感が積もり積もってストレスになる。

 例えばイスラム教の国では、慣習に習い、髪や身体を覆った服装で交渉に参加する。女性が前面に出ることをよしとしない文化を持つ国で交渉する場合、特にハイランクの交渉相手に直接話をすることを控えた。応答要領の全てを男性の同行者に事前に説明して代わりに話してもらう。万が一交渉の最中に補足することが出た場合は、そのつど同行者にメモを渡していた。

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「交渉は相手に会う前から始まっている」の著者

瀬谷 ルミ子

瀬谷 ルミ子(せや・るみこ)

日本紛争予防センター理事長

専門は紛争後の平和構築、兵士の武装解除・動員解除など。ルワンダ、アフガニスタンなどで国連PKO、外務省、NGOの職員として勤務。2011年、「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2012」に選ばれた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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安形 哲夫 ジェイテクト社長