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年上の部下とわかりあう術

2016年7月14日(木)

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 今回から2回に分けて「部下との対話」について考えていきます。最近は、以前のような「同質な人材からなるピラミッド型の組織」は少なくなり、上司・部下の関係も大きく変わりました。自分よりもずっと年下だったり、逆にずっと年上だったり。また国籍などのバックグラウンドが異なる、「自分とのギャップが大きい部下」をマネジメントすることが多くなりました。それだけ、昔に比べてマネジメントが難しくなったと言えます。そこで今回は、ギャップが大きい部下をもつ上司の皆さんに、ぜひお勧めしたい手法をご案内いたします。

価値観をすり合わせる

 現在の組織は多様な人材によって構成されています。ということは、マネジメントのアプローチも変化して当然といえます。しかし、マネジメントに携わる人たちを見ていると、いまだに多くの人が「上意下達」の動き方にこだわっているように思えます。実際に、「なんとかして部下に自分の考えていることを理解させたい。そのためにどうすれよいか」という相談を受けることがよくあります。

 自分が考えていることを相手に理解させるためには、お互いの価値観の違いを把握することが必要です。世代が近くて共通点が多く、同じ常識をもっている部下が相手なら、考えていることをそのまま言葉にすれば理解してくれるでしょう。しかし、ギャップが大きい部下が相手の場合、お互いの価値観の違いを踏まえて言葉を選ばないと、いくら熱く語ったところで理解されることはありません。

 ということは、ギャップが大きい部下をもつ上司は、「自分と部下の価値観をすり合わせる」作業をする必要があるわけです。顧客ならともかく、仲間内でこんなことをやるなんて、なんだか面倒ですね。でも、がっかりしないでください。多様な人材で構成されている組織は、各人の特徴をうまく活かせばそれだけ生産性が高まる可能性があります。マネージャーの腕次第で大きく伸びる組織を任されているわけですから、ぜひ前向きに取り組んでくださいね。

「ライフストーリー・インタビュー」

 価値観をすり合わせるための手段として、私が強くお勧めしたいのが「ライフストーリー・インタビュー」です。簡単に言うと、これまでの人生経験を一気に通しで語ってもらうことです。もちろん、決して強要してはならず、お互いの合意の上で取り組む必要があります。「過去のことを無理やり話せと言われた」なんて受け止められたら、それこそパワハラになってしまいますからね。それから、プライベートの細かいところや、ナーバスな問題を根掘り葉掘り聞くのは厳禁です。

 幾度か書いているように、人間には「わかってもらいたい」という欲求があります。部下としては、上司から「君のことをよく理解したいから、これまでの経験を差支えのない範囲で聞かせてくれないか?」と言われれば、むしろ嬉しいはずです。実際に、私はこれまでたくさんの部下をもちましたが、皆喜んで自分の経験を語ってくれました。

 やり方は、できれば物心ついた時を起点にゆっくりと聞いていきます。どんな子供だったのか、それが中学、高校…と経るにつれ、どのように変化したのか。そして、社会人になってからどうか。異動、転勤、転職など、節目となった出来事を思い出しながら話してもらいます。人間の記憶は、「時系列を過去から現在に辿るようにすると、たくさんのことが思い出せる」という特性があります。話している本人がビックリするくらい、いろいろなエピソードが出てくると思います。

 聞いているうちに、部下の特徴がよくわかります。人は同じような行動をくり返す傾向があります。安全な選択肢を好む人もいれば、リスクをとるタイプもいます。熱しやすく冷めやすい人もいれば、地味だけど根気強い人もいる。そういった傾向がわかります。

 ライフストーリー・インタビューを行うと、話している部下本人もメリットが得られます。経験の棚卸をすることで、自分自身を正しく認識することができるからです。

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「年上の部下とわかりあう術」の著者

辻口 寛一

辻口 寛一(つじぐち・ひろかず)

クロスロード株式会社 代表取締役 コミュニケーション・コンサルタント

コミュニケーション・コンサルタント。「サ ポーティブリスニング」を提唱。「聞くこと」 から始めて対話力を強化する教育と、それに よってホワイトカラーの生産性を向上させる コンサルティングを提供している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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