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「扱いが難しい部下」をどう動かすか

2016年7月21日(木)

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 今回も、「部下との対話」について考えていきます。文句や要求ばかり言う、悲観的な話ばかりするなど、部下もいろいろです(苦笑)。そこで今回は、そうした「扱いが難しい部下」の話をどう聞いていくかについて、考察してみたいと思います。

文句や要求ばかり言う部下の話を聞くには

 先日、「私は部下の話をなるべく聞かないようにしている」という人がいました。理由を問うと、自分の努力が足りないことを棚に上げて、文句や要求ばかり言う部下が多いのだそうです。「新規開拓が難しいから、もっと顧客リストがほしい」「忙しいから、もっと人手がほしい」など。本人によれば、「そうした話をうっかり聞いてしまったら、部下は要求を飲んでくれたと勘違いしかねない」というわけです。

 このような悩みをもつマネージャーは、実際にたくさんいると思います。とはいえ、こうして部下の話を聞くのを初めから拒絶してしまうのは、やはり好ましいことではありません。

 少し難しいですが、このような時には「受け止めるのと、納得するのを、ハッキリ分けて聞く」ことを実践してください。部下の話を受け止めはするが、内容に納得がいかなければハッキリとNOを言います。初めから部下の話を聞かないのは、「NOを言うのが嫌だから」という側面があるように思います。これは、厳しい言い方をすると、部下を思っての行動ではなく、自分に甘いのです。

 「受け止めるのと、納得するのを、ハッキリ分けて聞く」には、一つコツがあります。それは、「状況確認をしっかりする」ということです。「営業で顧客の無理な要求に振り回されないために」の回で、「顧客の要望やニーズだけを聞こうとしてはいけない。なぜなら『単なる思いつき』や『身勝手な要求』であることが多いから」というお話しをしました。これは部下についても同じです。

 たとえば、先ほどのような部下の要求を鵜呑みにすると、「顧客リストを買い与えたのに、ちっとも当たろうとしない」「人を入れたのに、まったく残業が減らない」などの事態に陥りかねません。

 こうした事態を避けるために、文句や要求をだけを聞くのではなく、状況をきちんと説明させることを習慣にしましょう。新規開拓がなぜ難しいのか。仕事がなぜ忙しいのか。納得するまで聞いていきます。そうすると、「そもそも、仕事の優先順位がついていない」というお粗末な状況が見てとれるケースがよくあります。そのような状況を放置したままで、部下の要求を飲んでも、望む効果は得られませんからね。

悲観的な部下の話を聞くにも有効

 「受け止めるのと、納得するのを、ハッキリ分けて聞く」ことの、もう一つの使用例を挙げます。それは、ネガティブな話が出てきた時の対応です。悲観的な発言をする部下って、結構多いですよね。たとえば(ちょっと極端ですが)、部下が「僕はもうダメです。絶望です」と発言したとします。

 こうした時に、「何を弱気なことを言っているんだ! 大丈夫だよ!」といきなり発言を否定してしまうと、相手はかえってムキになってしまいます。とはいえ、「そうだなあ。絶望だなあ」と受け止めてしまったら、相手はガックリきてしまうでしょう(笑)。

 そうではなく、「相手が、もうダメだ、絶望だと『感じている』」ことを受け止めます。答え方としては、「う~ん、そうなんだ。自分では、もうダメだと思ってるんだ」という感じですね。

 そうしてから、「こういう面はどうなの? こういう可能性はないの?」と視野を拡げる質問をゆっくりと投げかけます。そうすると、まだ試していない手段が見えてきたりします。その上で、「まだ試していない手段があるということは、もうダメだ、絶望だというわけではないよね」という結論にもっていきます。

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「「扱いが難しい部下」をどう動かすか」の著者

辻口 寛一

辻口 寛一(つじぐち・ひろかず)

クロスロード株式会社 代表取締役 コミュニケーション・コンサルタント

コミュニケーション・コンサルタント。「サ ポーティブリスニング」を提唱。「聞くこと」 から始めて対話力を強化する教育と、それに よってホワイトカラーの生産性を向上させる コンサルティングを提供している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師