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聞き方を変えれば、上司だって使いこなせる!

2016年7月28日(木)

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 今回は、「上司との対話」について考えます。今も昔もサラリーマンの酒の肴は「上司の悪口」です。たしかに、「やっかいな上司」はたくさんいますからね。とはいえ、上司を悪者にするだけでは何も解決しません。そこで今回は、「受け身にならず、積極的に上司を動かすためにはどうすればよいか」という観点で、上司との対話について考察したいと思います。

「聞くこと」で上司を使いこなす

 常識からすると、「上司が部下を使いこなす」ですよね。でも、私がこれまでお会いしてきた「仕事ができる人」たちは、例外なく上司をうまく使いこなしていました。もちろん、使いこなすと言っても、上司に指示・命令するわけではありませんよ。自分の仕事に上司を巻き込んで協力してもらうのが上手なのです。

 この「巻き込んで協力してもらう」のに大切なのが「聞くこと」です。特に、「相談すること」が有効です。デール・カーネギーは「人を動かす」の中で、「人は、『他人に言われたこと』ではなく、『自分で言ったこと』をやろうとする」と述べています。これは古今東西を問わず「人を動かすコツ」です。うまく相談することで、上司からアドバイスをもらうだけでなく、「それなら、こうしてあげよう」と言って協力してもらえるようになります。

 一般に、上司のほうが部下よりも知識・経験・人脈が豊富なものです。それらにうまく頼ることで、自分の能力以上の仕事もこなせるようになります。いわゆる「レバレッジをきかせる」ことができるわけですね。ぜひ、上司を使いこなして、より大きな仕事にチャレンジできるようになってください。

正しい順は「相談・連絡・報告」

 よく、「きちんとホウレンソウをしよう!」と言われます。これ、語呂合わせで「報告・連絡・相談」になっていますが、優先順位は「相談・連絡・報告」であるべきです。これからは、「何かあったら上司に報告する」のではなく、「何かあったら上司に相談する」ことを意識してください。

 報告って、物事の全体が見渡せて結論がハッキリしないうちは難しいものです。何かトラブルの予兆がある時に、「全体が見渡せて結論がハッキリする」まで待っていたら手遅れになりますよね(苦笑)。このような時は、早いうちに「おかしな動きがあるのですが…」と上司に相談するべきです。そうすれば、悩みや心配事を一人で抱える必要がなくなります。相談することは、精神衛生上においても大切です。

 上司のほうも、何かあったら部下がきちんと相談してくれると安心します。思いもよらないトラブルが、突然発生する事態が回避できますからね。また、うまく相談してくれる部下は可愛いものです。「相談上手な部下」になることは、自分だけでなく上司にとってもよいことなのです。

 お気づきだと思いますが、相談・連絡・報告のうち、相談だけが「聞くこと」です。あとの二つは「伝えること」です。やはり、上司との関係においても「伝えること」ばかり考えないで、積極的に「聞く」ようにしましょう。

「問題を明確にしてから相談する」は間違い

 では、実際にどのように相談すればよいでしょうか。よくある間違いに「相談する時は、まず問題を明確にしてから」があります。これ、とても大きな間違いですから、よく覚えておいてください。問題というものは、それが明確になった時点で半ば解決しているものです。問題を明確にすることにこだわっていると、相談するタイミングを失してしまう危険があります。

 「営業で顧客の無理な要求に振り回されないために」の回で、「課題とは、現在の状況と望ましい状態との間にあるギャップ。これを乗り越えたら、望ましい状態になるであろうと思われることをいう」とお話ししました。上司に相談する時も同じように考えてください。「現在の状況」と「望ましい状態」だけ明確にすればよいのです。「××の状況なのですが、これを○○の状態にしたいと思います。アドバイスをいただけませんか?」と聞けばよいわけですね。こう聞かれれば、上司としては「それには、こういう問題があるのではないか」と両者の間にあるギャップを指摘することができます。

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「聞き方を変えれば、上司だって使いこなせる!」の著者

辻口 寛一

辻口 寛一(つじぐち・ひろかず)

クロスロード株式会社 代表取締役 コミュニケーション・コンサルタント

コミュニケーション・コンサルタント。「サ ポーティブリスニング」を提唱。「聞くこと」 から始めて対話力を強化する教育と、それに よってホワイトカラーの生産性を向上させる コンサルティングを提供している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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