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優れたパフォーマンスを生む「社風」の正体

見えない社風を可視化、業績アップにつなげよう(1)

2016年9月16日(金)

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 目に見えない社風(コーポレート・カルチャー)を可視化し、科学的に分析して改革し、業績アップにつなげる――。
 米国ニューヨークのコンサルティング会社ベガ・ファクターのニール・ドシ氏は、妻で同社CEOのリンゼイ・マクレガー氏とともに、社風やモチベーションこそ、業績を左右する「最も重要な資産」と捉え、研究と調査を20年近く続けてきた。マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の2人は、その成果を『Primed to Perform』という書籍にまとめ、8月にその邦訳版『マッキンゼー流 最高の社風のつくり方』が発行された。

 著者のドシ氏が強調するのは、“ToMo”(トモ)と呼ばれる「トータルモチベーション(総合的動機)」の数値化により、強みと弱点を具体的に明確化し、社風を改善していくことの大切さだ。良い社風の会社は、指示命令がいちいちなくても、現場が自律的・効果的に動き、変化に機敏に対応する。イノベーションのスピードが加速度的に増し、数カ月先の状況さえ読めない今、大幅な業績アップにつながる社風の改善は、21世紀を生き抜くためのカギと言えそうだ。ドシ氏に「最高の社風のつくり方」をずばり聞いた。

(在米ジャーナリスト・肥田美佐子)

「社風は意図的には作れない」というのは大きな誤解

 ほとんどの組織は、「良い社風」の構築に苦労している。その結果、組織のメンバーはパフォーマンスを思うように発揮できず、社員も、本来味わうべき幸福感をまったく享受できていない。

 経営者やリーダーは「社風」が重要であることを、すでに認識している。卓越した社風を持つ企業を見て羨ましいと思う半面、そうした社風はカリスマ経営者にしか作り上げられないもので、自社の「社風」を変えていくことなどできない、と思い込んでいる。

 社風の構築を成り行きに任せにすべきではないとの認識も増えてはいるものの、社風をきちんと管理している組織は依然としてごくわずかだ。

 企業にとって社風は最も重要な資産であり、良い社風は売り上げや利益を継続的に増やす。ところが、実際には軽視され、崩壊していることも多い。

 ではいったい社風とは何だろうか?

 私たちは、社風の正体は「トータルモチベーション(総合的動機)」だと考えている(略してToMo=トモと呼んでいる)。組織とメンバーの“ToMo”を押し上げれば、その結果、メンバーがパフォーマンスを発揮し、業績も押し上げられる。社風の経済効果は計り知れないほど大きい。だからこそ、企業は、社風の構築と強化に大きなエネルギーを注がなければならない。

 私たちは、日本についてもリサーチしたが、社風に国境はない。社風は、人間の根本的な問題と密接に関わっている。それは、「人はなぜ働くのか」という最も根源的な問いへの答えでもある。

『マッキンゼー流 最高の社風のつくり方』共著者のニール・ドシ氏。マッキンゼー・アンド・カンパニーの元パートナーで、テック・スタート・アップの創設メンバー。著名な企業や組織団体において、社風や組織文化の変革を手がけてきた。妻のリンゼイ・マクレガー氏とともにベガ・ファクターを共同で創設し、情報テクノロジーや学習プログラムの導入、人事システムの変革などによって、激変する経営環境に適応し高業績を生み出す社風の構築を支援している。(撮影:肥田美佐子)

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「優れたパフォーマンスを生む「社風」の正体」の著者

肥田 美佐子

肥田 美佐子(ひだ・みさこ)

ニューヨーク在住ジャーナリスト

「ニューズウィーク日本版」編集などを経て1997年、渡米。米広告代理店などに勤務後、独立。08年、ILOメディア賞受賞。米経済、大統領選など幅広く取材。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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