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任天堂、負の遺産逆手に“イカ”で復活する?

中年男がハマるゲームに学ぶ戦略思考

2016年10月3日(月)

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 ニュースで報じられる企業や新商品の話題に触れたときこそ、ビジネスパーソンの思考スキルを高めるチャンスだ。その企業の戦略、その新製品の意味について少し掘り下げて考えることを習慣にすれば、ビジネスでの成功に結び付く発想が磨かれ、自分が直面する問題を解決するヒントが見えてくる。

 この連載では、拙著『入社10年分の思考スキルが3時間で学べる』で紹介したキーワードやフレームワークなどを利用しながら、最新の話題を題材にして、「考える力」を高めるコツを伝授する。

「ポケモンGO」より注目すべきゲームソフト

 「イカ」の話をしたい。任天堂のイカの話だ。

 いま任天堂というと「ポケモンGO」やiPhone向けの「スーパーマリオ」が話題だ。まるでスマホ対応が任天堂の最重要戦略のように思われがちだが、そこにばかり目が行っては任天堂の底力に気がつかない。

 確かに、ゲームのプラットフォームは、ゲーム専用機からスマホへとシフトしている。しかしスマホ時代にキャッチアップするのは、戦略オプションのひとつであるが、すべてではない。

 任天堂の本丸事業は「DS」や「Wii U」といったハードの販売。継続して売り続けるため、人の心を掴むソフトが必要になる。

 ソフトとハードは互いに「代替の利かない」関係が理想的。そこに好循環ができれば、双方ともに売れていくネットワーク効果(※1)が生じる。

ネットワーク効果(※1)

 ネットワーク効果はプラットフォーム型のビジネスを理解するうえで重要な概念だ。要は、ネットワークの利用者が増えていくときのメカニズムのことだ。

 電話を例に考えてみよう。電話は、使っている人が多いから価値がある。もし、電話を使っているのが自分だけならば、まったくの無価値だ。小難しく言うと、利用者が拡大することで、利用者の便益が増加する、ということ。それがネットワーク効果だ。

 ネットワーク効果の特徴は、ある規模を超えた場合の、需要の爆発的な成長が挙げられる。利用者の数が増えれば増えるほど、ますます多くの利用者が価値を感じてそれを採用し、一気に利用者が増える。SNSはその典型だ。

 ここまで説明してきた効果は「直接的ネットワーク効果」と呼ばれる。これに対して、「間接的ネットワーク効果」は、膨大な参加者の数を目当てに、別のネットワークが開くイメージだ。

 例えば家庭用ゲーム機の場合、専用のハードが普及すると、次にソフトを開発する企業群がヒット作を狙いしのぎを削る。間接的ネットワーク効果が働くと、元のネットワークはさらに盛り上がる。人気ソフトがハード機器の売上拡大の起爆剤になるように、相互が影響し合うことでネットワーク効果はまた指数関数的に増強される。

 一方で、ネットワーク効果は移ろいやすい。ピークを過ぎたネットワークは、他のネットワークに利用者を奪われていく。

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「入社10年分の思考スキル速習講座」のバックナンバー

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「任天堂、負の遺産逆手に“イカ”で復活する?」の著者

斎藤 広達

斎藤 広達(さいとう・こうたつ)

事業再生コンサルタント/理論社社長

1968年生まれ。シカゴ大学経営大学院修士(MBA)取得後、ボストン・コンサルティング・グループ、シティバンク、ローランドベルガーなどを経て独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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