ソリューション速報

「購入前の“迷い方”に浮かぶ顧客像」、慶大のチームがデータ活用コンテストで大賞

2015.09.28

慶応義塾大学SFC研究所のデータビジネス創造・ラボ、ブレインパッドなどは9月26日、高校生と大学生を対象にしたデータ活用コンテストの表彰式を実施した。応募した約100チームから予選を勝ち抜いた9チームが最終プレゼンに臨み、慶応義塾大学の環境情報学部チームが最優秀賞に輝いた。

 「データビジネス創造コンテスト」は、「デジタル時代の購買行動の解明 Digital Innovators Grand Prix(Dig)Consumer Insight」と題して、今年4月末から8月末まで実施した。3回目となる今回は、「あのシャンプー、あの人が使っているのはナゼ?」をテーマに、店頭でシャンプーを購入する顧客の心理や行動を分析し、アイデアを施策であるビジネスプランまで結びつけることが求められた。

最優秀賞を受賞した慶大チームと村井教授(右)
最優秀賞を受賞した慶大チームと村井教授(右)

 今回のコンテストの特徴は、実際の消費者行動を示すビッグデータを協賛企業が提供し、それを利用できることだ。具体的には、Twitter投稿と店舗内の顧客行動をブレインパッド、CMやテレビの視聴データをスイッチ・メディア・ラボ、Web検索履歴をヤフー、消費者パネルの購買データをマクロミルが、それぞれ提供した。それ以外のオープンデータなども活用して構わない。

 最優秀賞となった慶大のチームは「迷いの分類を活用した効果的な販売アプローチの提案」と題して、購買前の顧客行動に着目した。店舗内の商品棚の前に特殊な3Dセンサーを置き、顧客の動きを数値化し、どの商品を手に取ったり、検討に時間をかけていたりといったことが分かるデータを活用した。これに視聴CMや検索行動などのデータを掛け合わせて分析したところ、迷いの行動と顧客プロフィルや購買商品に相関があることを見いだすことができたという。

棚前の行動で、顧客を4つに分けて施策を提案した
棚前の行動で、顧客を4つに分けて施策を提案した

 そこで「検討している商品数」「棚前での滞在時間」の2つの迷い方を2軸にして合計4分類として、それぞれのエリアにあてはまる顧客像を各種データと掛け合わせた分析から導き出した。検討している商品数は3個以下と4個以上、棚前の時間は平均83秒をしきい値とした。

 例えば「検討商品数が少なく、滞在時間が短い」という迷いが少ない層には、高齢者が多く事前にネット検索などをあまりしない。そこで買い逃しを防ぐため店舗にCMを想起させるPOPを置くという施策を披露した。また「検討数が多く、滞在時間が短い」という特徴は若年層の顧客に多い。そこでTwitterなどのソーシャルメディアで広告を配信し、顧客を通じて口コミを広げるべきといった事を提案した。

 審査委員長である慶大の村井純教授は受賞理由について「今回のコンテストは多種多様な提供データを使ってほしいという想いがあったが、まずそれに合致していた。そして、顧客の棚の前での迷いの行動をマーケティングに結びつける逆算の発想が秀逸であり、分析のプロセスを非常に分かりやすく見せてくれた点も評価した」と述べた。

高校生で唯一最終選考に残った熊本県立玉名高等学校のチーム
高校生で唯一最終選考に残った熊本県立玉名高等学校のチーム

 高校生からは全体で8チームが応募し、その中から熊本県立玉名高等学校のチームが最終選考に臨み、高校生部門賞を受賞した。提供されたデータを分析しただけでなく、自校の生徒にアンケートを実施するというフィールドワークも行っていた点も評価された。

 このほか優秀賞に慶大大学院理工学研究科、特別賞に静岡大学情報学部情報科学科、分析力に秀でたブレインパッド賞に慶大理工学部管理工学科、プレゼンテーションなどに優れた「未来創造賞」に東京大学大学院新領域創成科学研究科環境系のチームがそれぞれ選ばれた。

 今回のコンテストは企業側の主体となるビジネスパートナーをブレインパッドが務めた。次回となる4回目は日本マイクロソフトが担当し、日本における少子高齢化の社会課題について各種のデータを分析し、解決策を見いだすコンテストにする予定だ。

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