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中田英寿さんが語る日本酒ラベルの大切さ 「SAKE COMPETITION 2017」より

文・写真/カンパネラ編集部 06.19.2017

世界一おいしい市販の日本酒を決める「SAKE COMPETITION(サケ コンペティション) 2017」。「Super Premium部門」の1位に輝いたのは、山梨県北杜市の「七賢 純米大吟醸 大中屋 斗瓶囲い」(山梨醸造)。プレゼンターの中田英寿さんは、「同じ山梨県人として誇らしい」と語った。表彰式の様子をリポートする。

世界一おいしい市販の日本酒を決める「SAKE COMPETITION(サケ コンペティション) 2017」の表彰式が6月5日に東京都内で行われた。全部門のうち、味わいはもちろんのこと価格面でも他の日本酒を上回る「Super Premium部門」の1位に輝いたのは、山梨県北杜市の「七賢 純米大吟醸 大中屋 斗瓶囲い」(山梨醸造)。同部門のプレゼンターを務めた中田英寿さんは、「山梨県にはすばらしいワイン文化がありますが、これまで日本酒ではなかなかコンペに入ってくることがありませんでした。今回、Super Premium部門で1位を取ったことは同じ山梨県人として誇らしい気持ちになりました」と笑顔で語った。

Super Premium部門の1位は山梨県北杜市の「七賢 純米大吟醸 大中屋 斗瓶囲い」(山梨醸造)が獲得
Super Premium部門の1位は山梨県北杜市の「七賢 純米大吟醸 大中屋 斗瓶囲い」(山梨醸造)が獲得

「ラベルの重要性がますます高まる」

SAKE COMPETITIONには、ほかに「純米酒部門」「純米吟醸部門」「純米大吟醸部門」「吟醸部門」があるが、6回目の今回から「ラベルデザイン部門」「発泡清酒部門」の二つが新設され、合計7部門でブラインドによる審査が行われた。審査対象は季節限定商品、プライベートブランド商品を含め現在販売継続中であるか、または2017年内に販売が予定されている商品が対象。453の蔵から過去最高となる1730本の日本酒が出品された。

ラベルデザイン部門の新設を提案したのは中田英寿さん。これまでに300以上の蔵を訪れており、日本酒の魅力とその文化を世界の人々に伝えたいという思いから海外でも積極的にPR活動を行っている。中田さんはラベルデザイン部門新設のねらいについてこう話す。

「日本国内でも海外でも日本酒は広がりを見せていますが、ラベルの名前、つまりブランドが認知されているわけではありません。海外へ行くと、ほとんどの人が日本語を読めないので、ラベルの重要性はますます高まるわけですね。日本は『美しい味』と書いて『おいしい』と読む国。それが世界に伝わるようなデザインが今後出てくるといいと思います」

表彰式後にコメントを求められる中田英寿さん、いとうせいこうさん、水野学さん
表彰式後にコメントを求められる中田英寿さん、いとうせいこうさん、水野学さん

元サッカー日本代表として世界で戦った中田さんならでは思いが込められている。俳優・作家などマルチに活躍するいとうせいこうさん(純米大吟醸部門のプレゼンター)は、「まさに競技の人がよく考えたコンペティションですね。文学の世界でも音楽の世界でも、すごい人は世界へ出て行くのが当たり前。日本酒の世界だって同じです。そのピッチをつくった中田さんは偉いと思います」と語る。

さわやかな泡で乾杯シーンの演出を

ラベルデザイン部門の1位は新潟県新潟市の「越後鶴亀 越王 純米大吟醸」(越後鶴亀)が獲得した。「お酒というのは嗜好品ですから楽しくなければいけない。格好良くなければいけない。ということで、鶴と亀をデフォルメして、若手デザイナーがいろいろ考えて作ってくれました。新しいアプローチで清酒市場に切り込んでいかないと生き残れないという思いもありました」(越後鶴亀)

ラベルデザイン部門で1位となった新潟県新潟市の「越後鶴亀 越王 純米大吟醸」(株式会社越後鶴亀)
ラベルデザイン部門で1位となった新潟県新潟市の「越後鶴亀 越王 純米大吟醸」(株式会社越後鶴亀)

海外の日本食レストランやすし屋などでの和食ブームにより、日本酒の輸出が好調だ。2016年は清酒の輸出額が155億8000万円となり、対前年比で約111%。7年連続で過去最高になった。主な輸出先は米国、香港、韓国となっている。

こうした動きにあわせて、世界のラグジュアリーな乾杯シーンでシャンパンやスパークリングワインと肩を並べる存在を目指す試みも始まっている。自然発酵の日本酒を「awa酒」と定義・認証し、その普及に努める一般社団法人awa酒協会が2016年11月に設立されたほか、スパークリング日本酒(発泡日本酒)を手がける酒蔵が増えている。

SAKE COMPETITION 2017でも「発泡清酒部門」が新設され、岩手県二戸市の「南部美人 あわさけ スパークリング」(南部美人)が1位に選ばれた。「awa酒協会のみなさまのご指導あっての商品。真っ暗闇でお酒をつくっていたような状態から突然、このような明るいところに来てしまいました。これまで乾杯シーンで日本酒は後手後手に回っていますが、これからはさわやかな泡で乾杯していただきたいとの思いを込めてつくりました」(南部美人)

発泡清酒部門で1位となった岩手県二戸市の「南部美人 あわさけ スパークリング」(株式会社南部美人)
発泡清酒部門で1位となった岩手県二戸市の「南部美人 あわさけ スパークリング」(株式会社南部美人)

日本酒をワインと同じくらいポピュラーにしたいという目標について、中田英寿さんは「まだまだ目標は遠いかもしれませんが、いずれ国内外でイタリアンに行ってもフレンチに行っても、日本酒が当たり前のように飲まれる状況にいつかはなると思います」と期待を込めて話す。

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