ナウい飲みニケーション!

エンジニアたちが集う“社内酒場”が愛される理由/VOYAGE GROUP

第6回 VOYAGE GROUP

文:西本 美沙 / 写真:菊池 くらげ 08.24.2017

過去の遺物となりつつあった「飲みニケーション」が、スタートアップ企業で復活している。なぜいま「飲みニケーション」なのか? その謎を解明すべく実際に現場に参加してレポートする本コラム。今回は、アドプラットフォーム事業やポイントメディア事業などを展開しているVOYAGE GROUP。社員が夜な夜な集まるという社内バー、「AJITO(アジト)」に潜入してみました!

アドプラットフォーム事業やポイントメディア事業を中枢に幅広い事業を手掛けるVOYAGE GROUP(ボヤージュグループ)。米調査会社による「働きがいのある会社ランキング」中規模部門で5年連続ベストカンパニーに選ばれており、経営面だけでなく社員のモチベーション維持に成功している会社としても注目を集めています。

今回お邪魔したのは、東京・渋谷にある同社のオフィス。”VOYAGE=航海”というコンセプトで統一されたオフィスには、畳が敷き詰められた「ジパング」や段ボール素材を用いた「アトランティス」など、大陸名がつけられた個性豊かな会議室のほか、バリスタがコーヒーを淹(い)れてくれるコーヒースタンドもありました。そして、ひときわ異彩を放っていたのが、海賊船をモチーフにデザインされた社内バーの「AJITO(アジト)」です。ここが今回の飲みニケーションの舞台となります。

海賊船をモチーフにした社内バー「AJITO」
海図を模したフロアマップ
畳が敷かれた会議室「ジパング」

VOYAGE GROUPの飲みニケーションはこれまで潜入した会社と比べると、とても自由なスタイルです。同社では、会社主催の飲み会はどうしても義務的な雰囲気になるため、あえて実施していないそうです。それでも、社内のバーでは社員自ら飲み会イベントを企画するなど、活発な交流が生まれています。

一体どんな飲みニケーションなのか? 早速VOYAGE GROUPの飲み会に参加してみることにしました。

こだわり1:いつでも寄れる社内バーが社員同士の会話を生む

カンパネラ編集部がお邪魔した夜は、社内バーのAJITOで「エンジニア女子会」が開催されていました。エンジニア職はどうしても男性が多いので、たまにはエンジニアの女性で集まろうと、女性主導で開催した飲み会だそうです。

19時30分を過ぎたころ、仕事を終えた参加者が集い始めました。それぞれ持ち寄った料理をテーブルの上に並べて自由に飲み始めます。エンジニア「女子会」と銘打っていますが参加したい人は誰でも参加できるイベントとのことで、男性社員もふらっと寄って参加するなど自由な雰囲気の飲み会でした。

仕事を終えたメンバーからゆるゆると始まります
集まったメンバーで飲み会開始です
社員の方々が帰り際に寄って、お酒を飲んだり、料理をつまんだり各々自由に出入りしていました
料理は持ち寄りで用意したりデリバリーを使用したりしているそうです

AJITOでは、18時30分以降は無料でお酒が飲めるようになっています。冷蔵庫に常にストックされている各種ビールや酎ハイなどのお酒は、会社の負担で購入したものです。これ以外にバーの棚の上には、社員が自ら購入してAJITOに持ち込んだお酒もずらりと並んでいます。勝手に飲まれると困るものは各々鍵がかかるスペースで保管しているそうです。

「家で一人で飲むよりAJITOで飲んだ方が楽しい」「連休明けにはお土産に買ってきたお酒をAJITOで飲みます。一人じゃ飲みきれなくてもここに持って来ればみんなで飲める」──。気づけばいろいろな人がお酒を持ち寄ってくるそうで、50本以上のお酒のボトルが棚に並んでいました。そのため、特に今回のようなイベントがなくても、普段からエンジニアを中心に社員が集まって、お酒を飲んでいるそうです。

「別の場所で飲んでいても、終わった後にAJITOに寄って1杯飲んでから帰る人もいます。足を運べば誰かいるので……」と笑うのは今回の飲み会を企画したエンジニアの吉永百慧さん。エンジニアの中には、AJITOに足を運ぶことが日々の習慣になっている人もいるそうです。

今回の飲み会を企画したエンジニアの吉永百慧さん

「みんな勝手に集まって自由に飲んでいる」と言いますが、一体どれくらい自由なのだろうか。そう首をかしげていると、背後からピアノとドラムの音が……!? 思わず振り返ると5、6人の男性が、お酒を片手に楽器を演奏をしていました。彼らはバンドサークルのメンバーでした。

お酒を片手に自由に演奏していました
ちょっとした相談もできるのがAJITOのいいところだそうです

VOYAGEでは「共通の趣味ほど仲良くなれるものはない」という考えの下、社員交流の一環として社内サークル活動を推奨しています。バンドサークル以外にもハンドメイドや登山、AJITOサークル(AJITOをいい空間にしていくのが目的)など30以上のサークルがあり、部員1人につき1万円の支援金がサークルに支給されるそうです。今では社員の約7割がサークルに所属しています。

仕事終わりに社内でお酒を飲みながら楽器演奏……。確かに自由です。