カレースター・水野仁輔の「カレー&ビール」C&B

伝説の中国料理店の深夜ポークカレーとパイタンスープで、中華カレーブーム?

第5回:おいしさの秘密は「だし」にあり! 日本人好みのカンタン中華風カレーを作る(前編)

 01.09.2018

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ビールといえば、カレー。カレーといえば、カレー業界では超有名、東京カリ〜番長改めカレースターの水野仁輔さん。第5回は中華風のカレー。油のコクとスープのうまみがきっちりと利いたカレーソースに、すっきりシンプルな味わいが印象的。日本人の好みに合いそうな出汁(だし)を使ったカレーに挑戦してみます。(前編)

いちばん簡単に作れて、いちばんおいしいカレーって、なんだろう? 時々そんなことを考えます。なんてムシがいい話だろうか。そんなカレー、あるはずがない。……なんてことを自分で自分に突っ込みながら。でも、もしあったら、とても素敵なことですよね。僕、答えを見つけちゃったかもしれないんです。それは中華風のカレーです。

油のコクとスープのうまみがきっちりと利いたカレーソースは味わい深く、シンプルな具にはしっかり味が残っている。カレー粉を使うから香りは穏やかでありつつバランスがよくて食べやすい。適度にとろみがついているから喉越しもうまい。隠し味で複雑にしたカレーとは一線を画し、すっきりシンプルな味わいが印象的。どうですか?

食べてみたくなったでしょう。日本人の好みにバッチリ合うカレーだと思います。

六本木の「香妃園」ってご存じですか。老舗の中華料理店です。しかも深夜までやっている。若いころ、六本木のクラブなんかで遊んだ後、お腹がすくと、この店に行きました。目的は、もちろんカレー。そう、ここにはなんとカレーがあるんです。めちゃくちゃおいしい。ここのポークカレーを何度食べたことか。

おいしさの秘密は、出汁(だし)にあります。出汁と言っても中華ですから、カツオや昆布で取る和食の出汁とは違います。鶏がらが中心の濃厚なスープです。中華料理ならではの味わいですね。実はここの深夜メニューには、カレーとならんでもうひとつ名物があって、それが「とりそば」。鶏がらスープが絶品のラーメンなんですが、そう、もうおわかりですね。香妃園のカレーには、このとりそばとおなじ鶏がらスープ(=白濁のパイタンスープのようなもの)が使われているんじゃないか、と僕は推測しているんです。

まずは鶏がらのスープから

というわけで、今日は、この鶏がらスープを使った香妃園風中華カレーを作っちゃいましょう。

まず鶏がらのスープを作りましょう。材料も少ないし、単純なプロセスでできるから、「なんちゃってパイタンスープ」と呼んでいます。

使用するのは冷凍の鶏がら580円。「肉のハナマサ」の冷凍肉コーナーで購入しました。なんと10羽分でこの価格。安いですねえ。捨ててもいいような部位ですから、二束三文で売られているんでしょうね。そんな扱いの鶏がらからおいしいスープが取れるんですから、料理っていうのは不思議なものです。

今回は2羽分を使います。水にさらして解凍しましょう。ざっと600グラムくらいですね。

解凍できたら、さっと水洗いしておくといい。このひと手間でアクが出にくくなるから、スープに雑味が残らずに済みます。鶏がら以外に準備するのは、長ネギ1本。お尻を切って、葉っぱの部分を長めのざく切りに。