日本カワイイ総研。

伝統の加賀友禅、「カワイイの力」で海外進出!

篠原ともえと加賀友禅作家が語り合う、400年の伝統を活かすカワイイ戦略

文:日本カワイイ総研。取材班 04.25.2017

「カワイイ」をキーワードに全国の伝統文化や特産品を発掘し、より多くの人に受け入れられるよう発信している篠原ともえさん。今回は日本の伝統文化の代表といえる着物が題材。加賀友禅の若手リーダーに、着物の魅力と新しい試みに、篠原さんが迫る。

篠原ともえさんがパーソナリティを勤めるFMラジオ番組「日本カワイイ計画。」(JFN系全国18局ネット)と連動している本連載。「カワイイ」をキーワードにした地方発の話題の商品やプロジェクト、イベントなど、地方創生の成功モデルを紹介している。今回のメインテーマは、日本の伝統文化の代表で、篠原さんが近年力を入れている着物である。

昨年2016年、篠原さんは一般公募で参加した第20回全国きものコンクール手描き部門にて京都府知事賞を受賞。実際の「つくる」ことでも高い評価を得ている。

篠原さんは、着物を含めた日本の伝統文化について、次のように語る。

「古いというイメージから敬遠されがちですが、実は、日本の伝統文化そのものが、カワイイ要素いっぱいなんです。そういう視点から紹介や発信をしていけば、必ず、若い世代と伝統文化をつなぐことができると思っています」 ぴぴ

着物の中で特に篠原さんと縁が深まりつつあるのが、石川県の金沢に伝わる加賀友禅。2016年にスタートした金沢の魅力を伝える取り組み「かわいいね!金沢プロジェクト」では、老舗の毎田染画工芸が仕上げた着物に身を包みイベントに出演するなど、着物文化の普及に力を入れている。

「かわいいね!金沢プロジェクト」で、毎田さんが作った加賀友禅の着物姿の篠原ともえさんと作家の毎田仁嗣さん

「加賀友禅の毎田染画工芸さんのお着物は、信じられないほどカワイイ作品。着させていただいたイメージは、私のブログ、Twitter、InstagramなどのSNSから発信しました」

篠原ともえさんのTwitterのフォロワーは23万人以上、Instagramは、11万人以上。篠原さんが着物姿を投稿すると、10代、20代の若い女性のフォロワーの間で「着物ってカワイイ!」というリアクションが一気に広がる。いわば、若い世代への着物、伝統文化のエバンジェリスト(伝道師)の役割を果たしているのだ。

そんな篠原さんが推す毎田染画工芸の加賀友禅は、伝統の中に未来を感じさせるものだった。

若い職人志願者が絶えない加賀友禅の新しさ

加賀友禅の新しい試みを実践しているのは、前述した毎田染画工芸の三代目、毎田仁嗣さん。篠原ともえさんのラジオ番組「日本カワイイ計画。」にゲスト出演した際は、「伝統工芸=衰退する存在」という紋切り型のイメージとは真逆の明るい話題で盛り上がった。

子供の頃から優秀な職人さんの手仕事を見て育ったという毎田さんは、職人の修行を始めてから20年。

毎田仁嗣さんの作業場風景

「加賀友禅の歴史は、約400年前、江戸期の元禄時代にさかのぼります。今は友禅といえばフォーマルな着物ですが、 当時は流行から生まれたファッション性が強いものだったんです」と、毎田さん。

さらには、「加賀友禅は、絵画調の模様構成を多色で表現できるのが特徴で、写実にこだわった作品も多く、作家の個性が作品に出るんです。私は、繰り返しの中に新しいことを常に盛り込むようにしています」とも。

「毎田さんの作品のお着物は、全く古い感じがしないんです!」と、篠原さん。写真と合わせて見ると、実に説得力がある。

毎田さんの考えは、伝統を大切にしながら、現代に寄り添うこと。

「フォーマルの着物を制作の中心に据えながら、今を楽しんでもらえる新しい友禅を作っていくことが目標ですね」

いま伝統工芸の現場の多くで、後継者不足が深刻な問題となっている。しかし、加賀友禅には、若い職人志願者が絶えないと聞いた。それも、やはり毎田さんのような若い作家が常に伝統と新しさの融合を考えているからのように思えた。

そんな毎田さんの加賀友禅は、伝統と新しい発想を融合させてさらに可能性を広げる試みを展開しており、国内外で注目を集めている。