なぜあなたの酒場には客が来ないのか?

やたら昭和なビル、「味園」の酒場を目指す若者たち

文:須田 泰成 03.15.2017

昭和をリアルに体験した世代には意外だが、YouTubeなどを通じて昭和カルチャーに好奇心を持つ若者は意外に多い。今回は昭和感がたまらない大阪ミナミのレジャービル「味園(みその)」に潜入、老いも若きも楽しめる昭和な「あなたの酒場」を探索した。

前回は、昭和カルチャー好きの店主と客がいる新宿ゴールデン街と下北沢スズナリ横丁における酒場の事例を取り上げた。そこには酒にも酒場にも興味を示さないと言われる20代、30代の若い世代も集まり、新しい賑わいや世代間交流があった。

昭和をリアルに体験した世代には意外だが、YouTubeなどを通じて昭和カルチャーを追体験し、並々ならぬ好奇心を持つ若者は意外に多い。よくあるパターンは、ネットの世界で“昭和まみれ”になった後、リアルな昭和の温度や匂いや体験者の声に触れたくなって、昭和感濃厚な酒場の扉をノックするという流れである。

「大阪にも同じような場所がありますよ」と、教えてくれたのは、林田晃洋さん。大阪のメディア系専門学校に勤め、若者の動向に明るい。ご自身も30代だから昭和カルチャーは、ネットでの追体験派である。

味園(みその)ビル外観。グランドキャバレーは閉店したが、大規模な宴会場、ホテル、イベント&ライブ会場は、いまも人気。大阪を代表する昭和のレジャービルである。

「大阪ミナミに『味園(みその)』という、かつてグランドキャバレーが栄華を誇った巨大な昭和のレジャービルがあるんです。12年~13年前からスナックなどが集まっていたテナントエリアに若い昭和のサブカル好き店主の店が増え、いまや、西のゴールデン街という雰囲気。ここに若い世代や女性も集まり賑わっています」

昭和のカルチャーが酒場離れ&酒離れの傾向がある若者たちを引きつけて賑わっているという話。東京に続き、大阪の話も掘り下げてみるべく、林田さんと一緒に味園に向かった。