見て、聞いて、泊まって、味わう。五感オトナ旅

突き抜ける晩秋の青空の下、益子の街を駆け抜ける自転車旅──陶芸の里の歴史を体感、ハンガリー人との陶芸体験に感動!

益子・湯西川温泉の旅 中編「益子を歩く」

文:カンパネラ編集部/写真:長坂邦宏(特記なき写真) 12.12.2017

  • ギャラリー1
  • ギャラリー2
  • ギャラリー3
  • ギャラリー4
  • ギャラリー5
  • ギャラリー6
  • ギャラリー7
  • 40年の歴史を持つ益子陶芸俱楽部で感動の陶芸体験(写真:木村和敬)
  • 陶芸メッセの敷地内にある「工房広場」。昔懐かしい陶芸の村の風景が広がる
  • 濱田庄司記念益子参考館の1号館。濱田のコレクションが展示されている
  • 濱田庄司記念益子参考館の2号館の内部
  • 濱田の別邸を展示館にした4号館へと続くアプローチ。紅葉が息をのむほどに美しい
  • 益子陶芸俱楽部はスタッフが丁寧に指導してくれるので初心者でも安心して楽しめる(写真:木村和敬)
  • 益子陶芸俱楽部の体験者がつくった作品(写真:木村和敬)

前回は、益子焼の文化を発展・継承する陶芸家、大塚一弘さんに、多くの試練を乗り越え陶芸文化を世界に発信する現在の姿となった益子の町の魅力について語っていただきました。今回は、実際に益子の町を歩き、五感をフル回転して町の魅力をより深く体感する旅に出かけます。

益子観光の見どころは、城内坂・道祖土(さやど)地区の周辺数キロ四方のエリアに点在しているので、1日で回ろうとする時に活用したいのがレンタサイクルだ。益子駅構内で借りられる真岡鐵道レンタサイクルは1日800円、城内坂通りにあるエビコーサイクルは1日500円で連泊もできる。益子は平坦なようでいて意外に坂道も多いので、電動機付き自転車がありがたい。

益子駅を出発し、電動機付き自転車を漕いで城内坂を東に上る。快晴。訪れたのは秋。やわらかな風が頬をなでてゆくのが実に気持ちいい。

益子焼のルーツに触れる自転車旅のルートMAP(イラスト:アライヨウコ)

まずは、「益子陶芸美術館 陶芸メッセ・益子」を目指す。益子焼の礎を築いた人間国宝の濱田庄司(1894-1978)や島岡達三(1919-2007)など、名匠たちの作品を常設展示している美術館、濱田庄司が実際に住んでいた茅葺の邸宅を移築した旧濱田庄司邸などがある複合施設だ。

城内坂通りを左折するとすぐに階段が見えてくる。ここで自転車を降りて左手の駐車場に止め、階段を上る。

猫が手持ち無沙汰そうにこちらを見つめている。少し警戒した様子だが、こちらに近寄ってくるので思わず写真に収める。

「陶芸メッセ・益子」と彫られたゲートをくぐると、すぐ右手に見えてくるのが「益子陶芸美術館」。切妻屋根に白壁のシルエットが「蔵」をイメージさせる美しい建物だ。

館内には、濱田庄司と交流のあったイギリス人陶芸家バーナード・リーチをはじめ、リーチ工房初期の陶芸家の作品や欧米の現代陶芸作品も展示してあり、充実度は高い。2階展示室では益子の歴史を振り返ることができ、縄文・弥生、古墳時代の昔から土器が作られていたのがわかる。

年に数度、企画展も開催しているので、美術館のHPで事前に情報を集めてから出かけるといいだろう。2017年10月8日(日)から2018年1月14日(日)までは、濱田庄司に師事した栃木県那須烏山市在住の陶芸家・瀧田項一の展覧会を開催している。

美術館を出たら、敷地内を散策してみよう。

美術館を出て左手にあるのが笹島喜平館。笹島喜平は益子町生まれの木版画家で、近代日本を代表する木版画家・棟方志功(1903—75)に学んだ。白黒の版画を追求し、独特の「拓刷り」の技法で知られる。版画約300点、スケッチ200点の収蔵品の中から20点ほどの作品を常設展示している。

反対側は下り階段。見下ろすと、そこには「工房広場」。昔懐かしい陶芸の村の風景が広がっていた。

左手に見えるのが陶芸工房。右手に見えるのが登り窯。濱田庄司が生前に愛用していた登り窯がここに移築・復元されている。益子で一般に使われていた登り窯は10〜13部屋から成り、4〜5日かけてゆっくり焼き上げていたという。

登り窯の奥が旧濱田庄司邸だが、ちょうど茅葺屋根の葺き替え工事の最中で邸内の見学ができなかった。残念! 工事は2018年3月上旬頃までかかるということなので、旧濱田庄司邸を目的に現地を訪れようという人は気をつけたい。

ABアプリ