インタビュー 情熱と挑戦の先に

【中川翔子】人生はドラゴンクエスト――夢は“ドリームノート”に書いておくと実現します

「カンパネラ」2周年インタビュー

カンパネラ編集部/photo by Keisuke Nagoshi(Commune Ltd.com.,) 06.30.2016

人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの発売30周年を記念して、7月から全国ツアーが始まる、大規模な日本初のオリジナルアリーナショー「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」。ショーの中心人物となる、おてんば姫「アリーナ」役に中川翔子さんが挑んでいる。「CAMPANELLA(カンパネラ)」もこの7月に、2周年の節目のときを迎える。初めてのアクションに苦労しながらも「なにより、子どもたちが喜んでくれることをするのが一番のモチベーション」と語る中川さん。その舞台稽古直後の中川さんに編集長の瀬川がインタビューを敢行。“人生はドラクエ”と言い切る――中川さんの愛のレベルがすごかった。

稽古の1分1秒がいとおしい、こんな未来がくるとは

瀬川:「ドラゴンクエスト」30周年を記念した「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」のショーが7月22日から始まります。中川さんは、おてんば姫の「アリーナ」役を演じられるわけですが、稽古は順調に進んでいますか?

中川:昨年「アリーナ」役にということが決まってから、個人的にはバレエとか、体幹のトレーニングとかもずっとやってきました。そして稽古では、殺陣(たて)だとかアクションの手順とかを、現場で人がいる状態で早く覚えていかないといけないんですけど、私は別の舞台のお仕事があり、皆さんから3週間程遅れて稽古入りしました。

瀬川:そうだったんですか。

中川:それで、ものすごく焦っていたんですけど、体育館での全員の稽古で、最初の日にもうアクションを習って、その日の終わりには一幕全部通すというスケジュール。演出家である金谷かほりさんらしい怒濤のやり方で進んで……。

瀬川:すごいですね。

中川:ただ、目指すべきものがはっきり分かったし、稽古にも抵抗なく入れたので、いまはホッとしています。

瀬川:いまで稽古は何回目ですか?

中川:4回目です。初め、ものすごくドキドキしながら、もう焦ってどうしようっていう気持ちで入ってきた私に、共演者の方々みんな優しく声を掛けてくださった。本当に、チームが一丸となって乗り越えようとしている。まさに、「ドラクエ愛」を感じています。

瀬川:愛の力で挽回できたんですね。

中川:私は、子どものころから「ドラクエ漬けの人生」でした。それがいま現実でもドラクエの世界が目の前に広がっている状況なんです。流れる音楽も、会話も呪文だったり、動きも必殺技だったり……。もう稽古の1分1秒がいとおしくて夢みたい、すごく幸せです。

これまでは、二段蹴りとか、回し蹴りとか、やったことなかったんですけど、この場所だと当たり前に歩きながら、ふっと出そうな感覚です。こんな未来が来るとはまったく想像していなかったんです。

アクションも初めて。ドラクエでいうと去年の何も知らないときに「レベル1」だったのが、それからコツコツ、いまは稽古場に入って経験値が上がってきたところです。もう全体を通して、動きだったり、アクションだったり、仲間とアドリブでどう掛け合いをするかだったり、これまでドラクエで遊んできた時間を全部ぶつけていっています。

ドラゴンクエストは親子の物語、自分の人生と重なるんです

瀬川:今回のストーリーはドラゴンクエストのIIIを土台にしていると聞きました。

中川:ドラクエIIIは主人公の「勇者」がいて、魔法使い、僧侶、戦士、モンスターがいて、あといろんな国があって、シリーズのなかでも、多彩なドラクエらしさが一番詰まっている作品です。そして何より「親子の物語」という、誰にでも心の芯にグッとくる、そんなエピソードもたくさん詰まっています。今回のショーではこの世界に、ほかのドラクエIVやVIなどの登場人物であるアリーナやテリー、パノン、ヤンガスといった歴代キャラクターが集まって、みんなで冒険する……。私自身「こんなドラクエがあったら、むちゃくちゃ面白いだろうな」と思うお話になっています。

音楽も、聴きたい音楽、シリーズの名曲たちが聴けますし、あと、ドラクエのすてきなところには「笑い」もあります。堀井雄二さん(ゲームデザイナーでドラゴンクエストの生みの親)がファミコンの容量が足りなくて、オープニングを削ってでも、「遊び人」を入れたかったっていうくらいドラクエは「笑い」の要素にこだわっています。それも忘れていません。あと、ほっこりするシーンも人生には必要。それもちゃんと入っています。今回のショーは、まさに「人生はRPG(ロール・プレイング・ゲーム)」という言葉が、そのまま表現されているような感じです。

瀬川:なるほど。

中川:名場面がどんどん出てきて、いちドラクエファンとして冷静に稽古を見ていても、むちゃくちゃ面白いです。ドラクエで遊んだことがない方も、IIIをリアルタイムでは知らなかったっていう方も、もちろんドラクエが大好きでずーっと遊んできた方も、みんながそれぞれの目線で、それぞれの一生忘れられない冒険を、心にセーブすることになると思います。

瀬川:心にセーブですか(笑)。「人生はRPG――」って、堀井雄二さんが言った言葉ですよね。

中川:そうです。最近すごく思うんですが、私自身の人生もドラクエに重なってきているんです。落ち込んだり、そしてお仕事をするようになっていっぱい失敗とか、うれしかったり、夢がかなったり、いろんなことがありながら、いま「レベル31(31歳)」になって、こういうミラクルなお仕事が来た。日本ではやったことのない初めてのアリーナショー。ドラクエをゲームしているときみたいに、「これからどうなるんだろう」って思いながら取り組んでいます。

今回の物語は勇者と父のオルテガ、その親子の絆がテーマになっています。自分自身も、最近全国いろいろなところでお仕事をさせていただくなかで、行く先々の人々が、早くに亡くなった父(ミュージシャン・俳優・声優の中川勝彦氏)のことで、「お父さんにお世話になっことがあって」とか「お父さんとご飯食べたことがあるんですよ」とか、声を掛けてくださるんです。ドラクエIIIでは、勇者が旅をしているなかで、初めて行く村でも、お父さん(オルテガ)のことを語ってくれる場面が多いのですが、「あ、ドラクエと重なっているな」と思うんです。自分の人生。

中川翔子(なかがわ・しょうこ)
1985年生まれ、東京都出身。 2002年芸能界デビュー。歌手・タレント・声優・女優・イラストレーターなど、活動は多岐にわたる。「ウチくる!?」などをはじめ多数のバラエティ番組にも出演。音楽活動では、コンサートツアーなどを精力的に行い、09年には初の武道館公演を敢行。アジアでのコンサートツアーも数年にわたり行い、その人気は海外にも広がっている。15年には初となるディナーショーを敢行、チケットは即完となった。同年、NHK朝の連続テレビ小説「まれ」にレギュラー出演。16年には、初舞台となる「ブラック メリーポピンズ」でヒロイン役として出演。「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」では、おてんば姫のアリーナ役を演じる。
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