ミッドナイト・インタビュー

普通すぎることが僕の悩み メルカリ山田進太郎氏・前編

聞き手:カンパネラ編集部 / 文:西本 美沙 / 写真:陶山 勉 03.10.2017

お酒を酌み交わしながら、注目企業の社長に迫る本コラム。今夜登場するのは、メルカリ社長の山田進太郎氏。フリマアプリでまさに飛ぶ鳥を落とす勢いの同社。経営の裏話、そして山田氏ならではのビジネスの着眼点を、グラスを傾けつつ聞いた。(前編)

おいしいお酒を酌み交わしながら、注目企業の社長の本音に迫る「ミッドナイト・インタビュー」。今夜はメルカリ社長の山田進太郎氏です。「メルカリ」は、ユーザー同士で様々な商品を簡単に売り買いできるフリマアプリとして2013年にサービスを開始。以降、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続け、アプリのダウンロード数は日米合わせて6000万を超えています。

山田氏は連続起業家としても知られています。ウノウを設立し「映画生活」「フォト蔵」「まちつく!」などのサービスを展開した後、ソーシャルゲーム企業のZyngaに売却し、Zynga Japanのジェネラルマネジャーに。2012年に同社を退社後、世界一周旅行を経てメルカリを立ち上げました。今回はそんな山田氏の素顔に迫ります。


――まずは乾杯から。

――よく会社で飲みに行ったりするんですか?

山田:毎月1回は全社の飲み会がありますよ。部署飲みも多いですね。僕の場合は部署がないので呼ばれないんですけど……(笑)。飲みに行くということ自体がコミュニケーションなので、何らかの情報を収集したり刺激を受けにいったりしています。逆に言えば、一人だとあまり飲みに行かないですね。家でもほとんど飲まないし。

社員が幸せになるのに大切にしていること

――たしかにメルカリって社員同士、仲が良さそうですよね。取締役の小泉さんとは、よく飲みに行かれてるんじゃないですか。お2人って似てます?

山田:どうなんだろう? いや、似てないんじゃないですかね。僕は、どちらかというと、マネジメントよりはプロダクトをどう良くするかを割と手段を選ばずに突き詰めるタイプで、小泉は、きちんと人をグリップしながら進めるタイプかな。コーポレート部門は彼が管轄していて、例えば人事制度や広報に関して、「こんなのどう?」と話していると、彼の決断でいい感じに進めてくれるし、それにとらわれず提案もくれる。

彼に限らずコーポレートもプロダクトも各部門、それぞれの責任者に任せているので、彼らがどんどん進めてくれています。

あ、彼と考え方が似ているところだと、メルカリは人事制度として「merci box (メルシーボックス)」という制度を作っていて、産休や育休時の給与100%保障や、不妊治療の費用を会社で負担しています。

で、この制度の考え方は、社員が働く上でダウンサイドのリスクになりがちな「産休」などを会社でサポートするというもの。一方で「家賃補助」などアップサイドの部分は支給していません。こういったアップサイドの手当分は、むしろ給料で払い個人が自由に使えるようにしたいと思っています。

ダウンサイドのリスクでいうと、例えば、本人が亡くなってしまった時、家族にきちんと保険金が払われるように会社で保険をかけたりしています。そういう考え方は彼とすごく気が合いますね。

――いい会社ですね。だから入社するにはハードルも高いわけですね。そういう人事制度も山田さんが提案するんでしょうか?

山田:いい会社だと言ってもらえるのはうれしいです(笑)。そうですね、ウノウやZyngaでやっていたこともあって、会社のOKRの導入や人事制度も結構考えていますね。例えばメルカリは離職率がすごく低いんですけど、その人が何をしたいのか、志向を把握して、そこに会社が仕事としてチャンスを与えることでその人がより活躍できるようにしています。

*OKR:Objective & Key Resultの略で、目標と結果を管理することで組織内コミュニケーションを効率化すること

入社ハードルが高いかはわかりませんが、厳しい方がいいと思っています。能力だけじゃなくて、大切にしているものなどが合わないと、みんな不幸になってしまうんで。ネット企業でも急激に人を増やして失敗しているところもたくさん聞いてるので。だから、そこはものすごく我慢してます。人手が欲しくてしょうがないけど、ぐっと我慢して採らないみたいな。

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