オジサンだけが知らない?主婦のブーム

時代はイケメンゴリラ?主婦がシャバーニに熱狂する理由

第24回:ラグビー人気が後押し、「強くて優しいマッチョ」に熱視線

文:小林 孝延 10.29.2015

ラグビーW杯における日本チームの大活躍を通して、「強い男たち」に熱い視線が注がれています。そんな中、主婦たちが盛り上がっているのがイケメンゴリラのシャバーニ!話題の裏を追ってみました。

2015年秋、ラグビーW杯における日本代表チームの大活躍によって、これまでルールさえ知らなかった日本国民の多くが、ラグビーの試合に夢中になりました。鍛え抜かれた肉体をもつ選手たちの厳しいトレーニングや、プライベートで家族を愛する優しい姿なども毎日のようにワイドショーで報道され、その姿に心を奪われる主婦が続出……。凱旋(がいせん)帰国を見るために成田空港に詰めかけた大勢の女性ファンを見て、「時代は強い男を求めている」そう思ったのは私だけではないはずです。

まさに今年は屈強な男が主役の年。ラグビーチーム・ヤマハ発動機ジュビロ所属の五郎丸歩選手を筆頭に、新日本プロレスの棚橋弘至選手や飯伏幸太選手など、優しいマスクにゴリマッチョな肉体を誇る男たちが主婦たちの熱い視線を集めています。

そんな中、今、もっとも注目されているゴリマッチョなイケメン。それが今回ご紹介するシャバー二なのです。

「オレよりイケメン」スポーツ選手が火を付け、話題沸騰

シャバーニとは名古屋にある東山動植物園のオスのゴリラ。1996年10月2日にオランダで生まれ、その後オーストラリアを経て2007年に日本にやって来ました。

来園以来、そのクールな目元や哲学者のように空を睨(にら)む表情がじわじわと話題になっていましたが、今年になってから、SNSを通して「かっこいい!」「イケメン!」と主婦や女子高生たちの間でボルテージが沸騰。そこに川崎フロンターレの大久保嘉人選手が自身の写真とシャバーニの写真を並べて「最近ネットで話題のイケメンゴリラが人間のオレよりイケメンと聞いたから比べてみた。完敗。。。」(ツイッターのつぶやきはこちら)とつぶやいたことで、一気に大ブレイク。ついには写真集『東山動植物園オフィシャルゴリラ写真集 シャバーニ! 』(扶桑社)まで出版され、新聞やテレビがお祭り騒ぎの状態に!!

これが写真集『東山動植物園オフィシャルゴリラ写真集 シャバーニ!』

じつはこの写真集、不肖こばへんの編集部で企画・編集されたものなのですが(少し自慢?)、10月3日に発売開始されてから3週間で既に4刷! ぜんぜん商品が足りていない状態がいまも続いています。

当たり前ですが企画当初、まさかここまで話題になるとは思ってもいませんでした。それどころか企画会議の段階では、会議を盛り上げるための「ネタ」疑惑まであったほどでした。

企画段階の秘話、「ここまで売れるとは予想外」

担当編集者の鈴木友美から企画が提出されたのは今年の5月。ちょうどツイッターでイケメンゴリラがいるぞ!と盛り上がり始めた頃でした。もちろん当日の会議もめちゃくちゃ盛り上がりました。「これはおもしろい!」「ぜひやりましょう!」とみんな大歓声……というと聞こえはいいですが、じつはこれ、かなり無責任な意見です。自分の担当じゃないですからね。自分が責任とらなくていいから気楽にたき付けて、盛り上がることができるわけで……。

責任者のこばへんとしては、やや微妙な判断を迫られました。こうした書籍の企画の場合、売れるか売れないかを判断するのはとても難しいんです。それでも僕の場合だと、長年やってきた「暮らしまわり」のジャンルなら、だいたい売れ行きの予想はできます(もちろん外れることもありますが)。でも、今回の写真集のような企画性の高い商品は予測不可能です。ですからはっきり言ってしまうと、社内で企画が通るかどうかは担当編集者の熱意と本気度によるところが大きいのです。おそらく販売担当者も「できればゴリラの写真集の担当者にはなりたくないなー」と思うでしょうし、それはまあ当然。でも、「こいつがここまで言うならやってみてもいいか」、そんな感じで企画が通過するのです。

こう言うと適当な感じもしますが、実際、担当編集者の本気度しか企画を測れる目安はありません。逆に言うと、簡単に「いい」「悪い」が判断できる企画は、すでに市場に似たような商品が存在する場合が多く、結果として想像ほど売れないことが多いともいえます。今回の場合は、完全にその場の盛り上がり(ひどい!)。イケイケのノリのまま、鈴木が東山動植物園に企画を依頼したのでした。

家飲み酒とも日記