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POSレジ・システムの開発にまで手を広げた東急ハンズ
【特集】さらば外注、広がる自前主義(前編)

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  • 2016年3月23日 水曜日
  • 中村 勇介

POS(販売時点情報管理)やレコメンドシステムなどの内製化に挑む企業が登場している。その真意を探るとマーケティングツールが抱える、あるジレンマが見えてきた。

 数十億円の開発費用をかけて大手I Tベンダーに依頼し、基幹システムとマーケティングシステムを作り替えたものの、肝心のマーケティングシステムが思うように機能しない。加えて、マーケティングオートメーション(MA)ツールやDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)といった新たな技術に対応しようとすると、さらなるシステム改修が必要になり、そのコスト負担が重いため、MAやDMP導入などの計画が一向に進んでいかない──。

 これは、ある大手企業で実際に起こった出来事だ。最終的には、開発したマーケティングシステムの利用を諦めて、MAやDMPなどと連携しやすいシステムを別途、開発するという結論に至ったという。

 デジタルマーケティングは、新たなツールや技術が相次ぎ登場し、プラットフォームの移り変わりも激しい分野だ。そのため、マーケティングシステムも時代の潮流に合わせた柔軟な拡張性が求められる。それゆえ、専門企業が開発するツールやサービスを利用するのが一般的だ。新たな概念や仕組みが登場すると、導入する企業側が手を動かさなくても、専門企業がすぐさま自社のツールやサービスを拡張して対応してくれるからだ。

 単純にデジタルマーケティングだけを考えていればいい時代には、それで事足りていた。しかし、デジタルマーケティングは、今や経営と密接不可分な関係にある。「オムニチャネル」はその最たる例だろう。ネットと店舗の垣根をなくして、これまでにない購買体験を提供する。こうした考えは、マーケティングにとどまるものではなく、経営戦略そのものだと言えよう。

 これを実現して競争力を高めるには、汎用的なパッケージシステムの導入だけにとどまらず、顧客情報や在庫などを管理する基幹システムとの連携など、自社の事業に合った仕組みの構築が求められる。ところが、すべての要件を満たしたシステムを構築しようとするとシステムが肥大化し、膨大なコストがかかる。また、将来の機能拡張を念頭に置かずに開発すると、新しい技術への対応ができにくくなる。すると、冒頭のような事態が生じることになる。

 コストを抑えつつ、スピード感を持って自社の事業に適したシステムを開発する。こう言うと、到底不可能なことのように聞こえるかもしれない。だが、既に実現している企業がある。共通するキーワードは内製化、つまり自前主義だ。自社でITエンジニアを抱えてシステムを開発することである。

 自社の事業内容をよく知る社員なら、適したシステムを構築できる。エンジニアが社内に常駐しているため、システム改修や追加開発にも即座に対応可能だ。

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