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CMOとは何者か?――ネスレ石橋、ドミノ冨永、マック足立の3CMOが語る
「D3 WEEK 2017」レポート(4)

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  • 2017年8月4日 金曜日
  • ITアナリスト 冨永 裕子

 28日午後には「日本の企業にCMOを!―JMA「CMO ソサエティ」発信」と題したパネルディスカッションがあった。登壇したのは、ネスレ日本専務執行役員チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)マーケティング&コミュニケーションズ本部長の石橋昌文氏、ドミノ・ピザ ジャパン執行役員CMOの富永朋信氏、日本マクドナルド上席執行役員マーケティング本部長CMOの足立光氏の3人。そして博報堂執行役員/エグゼクティブマーケティングディレクターである安藤元博氏がモデレーターを務めた。

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左から、博報堂の安藤元博氏、日本マクドナルドの足立光氏、ドミノ・ピザジャパンの富永朋信氏、ネスレ日本の石橋昌文氏

 議論は「マーケティングを職業とするとは」というテーマで始まった。石橋氏は、「新しいことに取り組む中で、失敗もあるが多くの学びを得られる。変化する消費者動向を把握しながら施策を展開できる」と語った。富永氏は、「企業の自己評価は常に2~3割増になる。『格好悪い』現状を経営層にうまく伝えることも、周りの人に動いてもらうためには必要。データ活用やコミュニケーションスキルが鍵になる」と述べた。

 そして足立氏は、「CMOは人の心を動かす扇動者、計画実行に人やお金を集めるプロデューサー、継続できる仕組みを作る経営者の三役をこなす必要がある」と、CMOの役割の大きさを独特の表現で説明した。

 続くテーマは、「企業の中でマーケティングを機能させるための課題と成功の鍵」というもの。石橋氏は、「顧客の特定、問題の発見とその解決で付加価値を生む一連の活動がマーケティングだ。これは全社員が取り組むべきこと」と持論を展開。富永氏も、「顧客に驚きを感じてもらうには、ベストプラクティスは絶対的な是ではない。あえて前例の踏襲や他社事例を参考にしないことが成功の鍵ではないか」とした。

 さらに足立氏は、「マーケティングが機能していない企業は『製品部門が強い』『事業部門が多い』『営業が強い』のどれかに当てはまる。また、売り上げや利益に関する責任を担っていないことが多い。製品視点や販売視点ではなく、顧客視点を徹底させることが重要だ」と話した。

間接部門から転換せよ

 4人による議論は、「企業においてCMO設置が成功するポイント」にも及んだ。石橋氏は、「CMO設置の前に、各企業がマーケティングをどう定義するかから始めるべき。それから間接部門ではうまく機能しない。P/L(損益)の責任を負うことは重要だ」として、足立氏の意見に同意。

 そして富永氏は、「CMOは前例のないことに取り組む。経営層のサポートが不可欠。CMO自身も小さな成功を繰り返し、少しずつ経営層との信頼関係を育む必要がある」と信頼関係の重要性を強調した。

 足立氏は、「売り上げや利益に対する責任は、社長の責任に匹敵するほど。CMOがNo.2になるような組織改革ができれば、日本企業のマーケティングは大きく変わるはずだ」した。

 さらに足立氏は、「マーケティングは素晴らしい仕事。目標の達成のため、楽しみながらやってほしい」と来場者にエールを送った。富永氏は、「消費者の心を動かす企画が結果につながった時の快感は格別。それを味わえるのがマーケティングの仕事の醍醐味だ」と語った。最後に石橋氏が、「前例のないことに取り組むのは大変でも達成感は大きいはず。楽しんで一緒にやってみませんか」と提案してパネルディスカッションを終えた。

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