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インスタ利用者の投稿写真でコンテンツマーケティングを展開するHIS
特集 インスタ投稿写真という金鉱脈(前編)

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  • 2016年8月23日 火曜日
  • 中村 勇介

利用者は急増しているが、マーケティングには今ひとつ使いにくかったInstagram。壁を破るには、投稿写真を自社コンテンツに活用するという逆転の発想が必要だ。

 写真・動画に特化したSNS「Instagram」の利用者が国内でも急増している。昨年6月に月間利用者数が810万人を超え、今年3月には1200万人を突破した。国内の利用者の増加に合わせて、企業のマーケティング向けサービスも充実しつつある。

 Instagramは昨年5月に広告サービスを開始、10月に広告から問い合わせやアプリのダウンロードなど、目的の行動につなげられる「コールトゥアクション」など、商品ラインアップを拡充した。今年8月16日からは新たに「ビジネスプロフィール」と企業アカウント向け解析ツール「Instagramインサイト」の提供を始めた。こうしたサービスやツールを活用することで、Instagram上でのマーケティングを支援する。

HISは利用者に常時、専用のハッシュタグをつけた写真の投稿を呼びかけ、該当の写真を自社のアカウントに投稿する形でInstagramのアカウントを運用する
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 しかしながら、InstagramはFacebookやTwitterと比較してマーケティングに使いづらい面もある。広告以外の投稿にはURLを添付できないこともその1つの理由だろう。Instagram上の投稿から自社サイトへ誘導できないため、Instagram経由のCVR(コンバージョン率)は測定できない。そのため、「いいね!」数などから算出するエンゲージメント率を指標に設定することになる。

 だが、このエンゲージメント率を高めるのも至難の業。なぜならば、Instagramで人気を集める利用者が投稿する写真の質は、プロ顔負けの腕前だからだ。企業側もそれ相応の写真を投稿しなければ関心を持ってもらいにくい。ところが、制作コストをかけても、エンゲージメント率だけを指標にしていては、その投資対効果を社内に納得いく形で説明することは難しいだろう。また、質の高いコンテンツを継続して作り続けることも骨が折れる。

難易度高いInstagram活用、鍵握るUGC

 このようにInstagramはマーケティングプラットフォームとしての重要性が増す半面、活用の難易度は高い。しかし、少し視点を変えるだけで、活用の可能性は大きく広がる。鍵を握るのは利用者が投稿した写真、いわゆるUGC(ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ)だ。

 Instagramでは写真の投稿時に、関連する「#」から始まるハッシュタグと呼ばれるテキストを付ける利用方法が定着している。このハッシュタグを起点に、同じハッシュタグを付けて投稿している他の利用者の写真を閲覧して、趣味や興味関心が近い人とコミュニケーションができる。

 例えば、「#toyota」で検索すると実に700万件以上の写真が投稿されている。ハッシュタグは日本語にも対応しており、「#ポケモンgo」が付けられた写真は既に43万件を超える。このように日々、利用者によって新しいブランドコンテンツが生み出されているわけだ。ここに目を付けた企業は、利用者を巻き込む形でInstagramを活用している。

 UGCの活用先はさまざまだが、本特集では、「コンテンツマーケティング」「EC(電子商取引)」「広告」の3つの方法で活用する企業を紹介する。まずは利用者と共にコンテンツマーケティングを推進する、旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS)の事例から見ていこう。

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