宇部興産は、伊佐セメント工場(山口県美祢市)に排熱発電設備を設置する。発電のための化石燃料の使用を抑制し、CO2排出量を削減する。発電した電力は同工場で利用するほか、グループの他の工場にも送電して活用し、グループで電力コストを低減する。排熱発電設備は、苅田セメント工場(福岡県苅田町)に続いて2カ所目となる。

 伊佐セメント工場に設ける排熱発電設備は1万4000kWの発電能力があり、2020年1月の稼働開始を予定している。セメント製造工程で排出される熱を有効活用して発電する。セメントはクリンカーと呼ぶ鉱物性物質を主要原料にする。クリンカーは、石灰石などを1450℃の回転する窯(ロータリーキルン)に投入し、焼成することで製造する。

 排熱発電設備は、ロータリーキルンに投入する前の原料を予熱するプレヒーターと、できたクリンカーを急冷するためのクリンカークーラーの排熱を利用して発電する。宇部興産は、排熱発電を伊佐セメント工場に導入することで年間5万tのCO2排出削減量を見込んでいる。同工場は従業員数が232人で、400万tのクリンカー生産能力を持つ。

 宇部興産は伊佐、苅田、宇部セメント工場(山口県宇部市)の国内3工場体制でセメント事業を運営している。苅田工場の排熱発電設備設置は2015年12月に稼動を始め、1万2650kWの発電能力がある。伊佐工場の設備が稼働すると、3工場の排熱発電の電力構成比率は業界トップ水準になる。宇部工場は自家発電所から電力供給を受けている。

(日経BP環境経営フォーラム

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